古くて素敵なクラシック・レコードたちを読んでみた 村上春樹 著

 
 先に『更に………』と続編の方を読んで興味深ったので1作目を読むことにした。文章は旨いし詳しくもあり、選ばれた音楽を聴いてなるほどと思う楽しさがある。


 2作目の『更に………』を読んだ時にレコードを6,000枚ほど持っているのかなと推計したのだけど、なんと15,000枚も持ってみえた。更に驚いたのは、その内7割がジャズで2割がクラシックなのだそうだ。と言うことはジャズの方が更に詳しいのかしらん?
 レコードを買って一番がっくりするのは録音状態がよろしくない代物で、この本には録音の良し悪しも書かれていて参考になります。レコード会社がDECCAと書いてあるとちょっと安心します。同じ会社でも発売年が違うと音質も変わるようですが、最近CBSソニーのThe Great Collection of Classical Musicシリーズのレコードを110円/枚で数枚買ったら良い音質でとっても徳した気分でした。
 84曲の紹介で3~5枚の感想が書かれていて、その内12曲は上下に分かれているので10枚前後になります。同じ曲目を10枚も買うなんてマニアでないとできそうにありません。違いを各々聴き分ける程の才能がないといけません。しかもその違いを言葉で表現するのですから感嘆します。僕の場合は気にいるかどうかぐらいしかわからず、気に入らないと数回しか聴かないのでもったいないと思ってしまう。
 ルービンシュタインを褒めてますが僕はちょっと肌が合わない部分があります。でもベームやブルックナーを避けている部分はなんとなく共感します。ところで、どんな機材で聴かれているのかは不明で興味が出ます。