1928年米国生まれのジャズミュージシャン、エリック・ドルフィーのライブ盤でVo.1&Vo.2とありますが、どちらも1961年7月16日の録音です。普通2枚組になるのですが、なぜか各々独立したアルバムになっています。
フランク・キンボールのAncestorsを聴く
Ancestors FRANK KIMBROUGH
アメリカのジャズピアニスト。1956年生まれ2020年12月30日没、享年64歳で亡くなったあとにでたアルバムAncestors(祖先)を聴いた。タイトル名は収録曲に同名がある。
コルネットとベースとピアノのトリオ、ドラムがないので落ち着いたメロディラインの曲調になります。どの曲もコルネットのちょっと深くて生暖かいフレーズが響くので曲ごとの特徴が不鮮明になってきます。
でもそれがきっと沼に靄がかかりながら空に明るさがじんわりと拡がる雰囲気が醸し出されるのでしょう。幻想的な中にもたまに動物の鳴き声が響いてくるようなレクイエムです。
アンブローズ・アキンムシーレのオリガミ・ハーベストを聴く
Origami Harvest AMBROSE AKINMUSIRE
アンブローズ・アキンムシーレはニューヨークのトランぺッター、2008年にデビューして2018年5作目のアルバム、オリガミ・ハーベストを聴いた。アルバムタイトルのorigamiは折り紙なのだろうか?そうだとすると直訳で折り紙の収穫になる。収録曲に同じタイトルは無いのでアルバム名だけとなる。
エスペランザ・スポルディングの新現代音楽を聴く
12 Little Spells
アルバムタイトルを直訳すると『12の小さな呪文』になる。これは1曲目のタイトルと同じでまさしく呪文のようだ。女性ジャズシンガーなのだけれど、とてもジャズというジャンルだけに収まらない。ヒップホップやR&Bとのクロスオーバーを遥かに超えてゆく音を聴かせてくれる。
ソニー・スティットを聴く : レヴュー
Boss Tenors Gene Ammonz & Sonny Stitt
ソニー・スティットはジャズのサックス奏者。アルバムFor Musicians Onlyでディジー・ガレスビーとスタン・ゲッツと共演し、アルトサックスがカッコイイのでクレジットを見たら彼だった。
ジーン・アモンズもサックス奏者で二人の掛け合いが実に心地良い。ソニーはテナーもアルトも吹いていて情感のあるジーンと情熱あるソニーの音の違いがソロの繰り返しで雰囲気を盛り上げてくれる。なかなか息の合ったコンビでこちらもグットのってくる。
有名な枯葉を二人で吹いていて、二人の味の良さを存分に引き出しくるので、一粒で二度おいしい。
Meets Sadik Hakim
ジャズピアニストのサディク・ハキムとの共演で1978年のアルバムですから、ソニー・スティットが54歳の時で亡くなる4年前の録音になります。
緩やかに始まる1曲目がなんとも年齢を重ねた渋い演奏が染込んできて、晩年のスティットの味わいが堪能できる。録音の年代からするとフュージョンの時代に入ってますが、往年の二人がスタンダードナンバーを艶やかに演じる様は落ち着きの中に轟きを含んでいて心地良い。
DSD64での復刻デジタルですが、レーベルが2xHDなのでいい仕事をしていて、彼らの演奏が蘇っています。
Kaleidoscope
1957年にリリースされたアルバムだけど、録音は1950~1952のニューヨークですから初期の演奏になります。
若さ溢れるサックスの音がどこまでも響く力強さに引き込まれてゆきます。ビバップの生気溢れる時代にエネルギーが迸ってるのがレコードを通じても感じる。こういう音ってレコードで聴くといいんですよね。
ソニー・スティットの音はなんだかどこかに艶がのるように思えます。アダレイの方が奔放な吹き方で味がでるのですが、スティットの艶ってのはなんだか女の色気みたいなことを感じるのは何故なんだろう。
Sonny Stitt sits in with The Oscar Peterson Trio
オスカー・ピーターソン・トリオをサイドメンにスティットが気持ちよく吹いている1959年のアルバムです。
A面はアルトサックスで、曲はチャーリー・パーカーが吹いていたから取り上げたようです。パーカーにあこがれて吹き方も真似ていたのがスティットを形作ったのでしょうか、実に楽しそうな音色です。
B面はテナーに持ち替えて、レイ・ブラウンのベースと響きと相まって味があり、録音も素晴らしく良いレコードです。
オスカー・ピーターソンはリーダー作もいいのだけれど、サイドメンになるとメインの人がより際立つところが凄いと思う。ピアノ伴奏だけでエラ・フィッツジェラルドが心地よく唄ってるのを思い出した。
ビンカー・ゴールディングのサックスを聴く:レビュー
2021年になる今日、ジャズもクラシックもロックも融けかけていて渾然としているように思える中で、新しいジャズはロンドンから巻き起こっているようだ。ヌバイア・ガルシアのようにアフロビートにのったサウンドが多い中でビンカー・ゴールディングのサックスはビバップな古き良き時代のジャズ音がところどころに散見されながらサックスを吹きまくる。
アブストラクション・オブ・リアリティ・パスト・アンド・インクレディブル・フェザーズとやたらにアルバムタイトルは長いけど、久しぶりにこれだけ気持ちよく吹き抜けるサックスを聞いて嬉しい。ウィントン・マルサリスの若い時を想いだし、インプロビゼーションのジャズを想起させながら、うねるビートとリズムは新しい時代の芽を感じる。
うーん、エネルギッシュなジャズやロックを聴くとやっぱり血が湧くね。
メロディ・ガルドー:レビュー
マイ・ワン・アンド・オンリー・スリル
ゆったりとして気だるいような唄い方はスローバラードが良く似合う。アコースティックなベースのうねりが彼女の歌声にからんで離してくれない。聴いた瞬間に虜にされるという雰囲気が醸し出される。
どこまでもスムースでムーディーなジャズに少し枯れた声がゆったりと渚のようにおしてはひいてゆく時間が流れ、どこか擦り切れそうな神経のラインが生暖かい樹液に包まれるうちに穏やかに治るような、なんとなく重みがなくなり浮くような感じになってエンディングする。
ノラ・ジョーンズのカム・ウィズ・ミーも売れるわけだと思ったけど、これもまた同様な思いになった。
サンセット・イン・ブルー
5年ぶりの新作でスティングとデュエットした曲も入ってます。このアルバムには18曲のデラックスバージョンがありますが、13曲の通常盤を96kHz 24bitのデジタルソースを買いました。
CDになってから1枚の曲数が増えてしまい、長いのだと60分を超えるのですが、飽き性な僕には長いバージョンはつらいです。できればデジタルソースで45分ほどに短くして価格を下げてくれるとありがたいです。
アルバムの曲調はゆったりした曲が多く、彼女の気だるく物憂げな声色がデビュー時のアルバムを彷彿とさせます。でも声のトーンがすこし乾いてしまったように思え、ちょいっと粘ってからみとられるような部分が薄くなったのがちょっと残念です。
話題のスティングとのヂュエットは良いのですが、こちらもスティングの声色がなんか柔らかくなってしまい、ちょっと冷たく突き刺す様な部分がなくなり、年齢を感じさせます。
落ち着きのある唄声に、ベースの奥深く低いうなりがエマルジョンのように混濁して帳の落ちるころに気をやすめることが気持ちいいです。でもデビューアルバムの方がインパクトが強いですね。
Kenny Barron & Dave Holland Trio “Without Deception”を聴く:レビュー
ケニー・バロンとデイヴ・ホランドのウィズアウト・ディセプションはジャズファンの評価が高いアルバムだったのでPCD96kHz 24bit ソースを買ってみた。
まさしくジャズです。ピアノ、ベース、ドラムスの重なり具合やグルーヴ感が嬉しい限りです。こういう音を聴くとほっとしてしまうのは、育ってきた年代のよな気もしますが、今の若い方でも年齢を重なると感じるような気もします。
音楽を聴いていてふと、なぜだかポール・チェンバースとフィリー・ジョー・ジョーンズを想いだしてしまった。決して曲調が旧いわけではないし、演奏の仕方がビバップだというわけでもないのに想いだすあたりが、正統派ジャズの系譜と言われる所以なのでしょうか。
ヌバイア・ガルシアのソースを聴く:レビュー
新世代UKジャズのホープと言われているサックス奏者。新しいジャズムーブメントは英国から起きているようでエネルギッシュな若手が多く輩出されている。そして女性が多いのも特徴で、ヌバイアもそのひとりとのことです。
音楽の雰囲気は、ヒップホップにジャズライクなテナーサックスをリズミックに吹いていて楽しい。とってもポップなんだけどやっぱりジャズって言うところが面白い。
ウェザーリポートの初期ごろにレゲエをミックスするとこうなるんじゃないかと思うけど、曲の持つダンスビート的なリズムとインプロビゼーション的な音の入れ方が現代やなぁと思う。
これがデビュー作なのかと驚くほど曲の構成が練られていてどの曲を聴いてもパフォーマンスがあってすこぶるよい。どれも似た曲の雰囲気になるので60分間聴き続けると少々疲れるのは、年老いたせいなのかもと思う。
最近の音は録音が素晴らしいと思う。98kHz 24bit のソースをダウンロードしているが、音の一音一音が繊細で研ぎ澄まされているのは、最初からSSDに高周波数で保存されているのだろうか。
クリス・コナー バードランドの子守唄を聴く:レビュー
1927年生まれのアメリカのジャズシンガーで、本作がもっとも売れたアルバムになりました。1954年の発売ですので、27歳と若く溌剌とした歌声に元気がでてきます。
子守唄ですけど寝かしつけるという雰囲気は無くて、ちょっと沈んだ気持ちの背中を軽く押してくれるような歌唱であるところが彼女らしいのだと思います。月曜日の朝に聴いたら、よし行くかという気になれそうです。
安定感のある明朗な歌い方で、少しばかり教科書的な唄に聴こえてしまう点がジャズの香りを薄めているのかなと、時代的に考えるとポップ歌手なんだと思います。
アニタ・オデイ シングス・ザ・モストを聴く:レビュー
アメリカのジャズシンガーで1919年生まれ、ジャズフェスティバルでも歌っている人気歌手で1940年から1990年代までと長く活躍した。
ハスキーボイスでマシンガンのように唄うのが特徴なのですが、僕にはちょっとつっけんどんのように聴こえてしまうところがあまり馴染みません。でもジャズをドライブするようなところはいいです。
録音してある曲はThem There Eyesですが、他の方が唄うゆっくりというか普通のテンポという感じなのですが、かなり早いのですがきちっと歌ってます。それでもビリーホリデーを感じさせる部分は、やっぱり気にしているんじゃないかと想えます。
デイヴィット・サンボーンを聴く:レビュー
ハイダウェイ Hideawey
サンボーンがデビューして4年後の1979年にリリースされたアルバム。明るくてファンキーでありながらメロディアスアスなアルトサックスが気持ちよく、サンボーンらしさに溢れている。
グラミー賞を3回とっているけれど、よりメロディアスになってしまうところを考えると、JazzでFunkyな部分の残る本作は躍動感があって嬉しい。これを聴けばなんとなく気が晴れてきて聴き終わるころにはウキウキできる。
ジャズフュージョンとAORがクロスオーバーした雰囲気が時代を反映しているように思える。ドラムがスティーヴ・ガッドなのも偶然ではないのでしょう。
ダブル・ヴィジョン Duble Vision
キーボードプレーヤーのボブ・ジェームスとの共同アルバムで1986年にリリースされ、グラミー賞を受賞している。
非常に和やかでスムースな1枚。ランチしてのんびりとするのもの良いし、おしゃべりに興じても良く、おだやかな薫風を届けてくれる。
ボブ・ジェームスのアルバムなのだけど、サンボーンのサックスが綺麗なメロディラインに郷愁の味わいを醸し出しているのが心地良い。
デューク・ジョーダン So Nice Dukeを聴く:レビュー
チャーリー・パーカーのクィンテットのメンバーとして名が広まり始めたジャズピアニスト。ソロアルバムはフライト・トゥ・デンマークが有名です。とてもメロディアスな旋律が印象で、穏やかで左手の伴奏がジャズピアノとしては印象的です。
このアルバムはデューク・ジョーダンが作曲家としても優れていることを示した「ジョードゥ(Jordu)」が入っているのが良いところ、クレジットを見ると1982年の録音なので作曲してからは随分と経ってからになるし、名古屋での録音というのも驚きです。
最初の2曲はピアノソロで高音域のピアノの響きが心地良く、クラシックを聴いているように思えてきます。3曲目のMy Funy Valentineはスタンダードナンバーでマイルスの録音が特に有名です。
そして、4曲目がジョードゥ。ベースのうねりにピアノの旋律が乗って、ドラムのビートがカッコイイ。うーん、いい曲ですね。ジョーダンの作曲は2曲ですけど、2002年にリマスターされていて音質もいいです。
EthosとFP-3427でWeather Report のHeavy Weatherを聴く:レビュー
ウェザーリポートと言えば、フュージョン界を作ったバンドだと思う。マイルス・デイヴィスがビッチェス・ブリューを発表したのが1970年でジャズ界に電気楽器が導入され、ファンキーなジャズ・ロックが顕われた。そのメンバーであるジョー・ザヴィヌルとウェイン・ショーターが中心となって同年に結成された。
フュージョン界は年々とメロウなサウンドになったと思うけど、ウェザーリポートはジャズ色の強いサウンドでこの8枚目のヘビー・ウェザーは傑作です。冒頭のBirdlandはヒット曲でマンハッタン・トランスファーが歌詞を入れてコーラスしている。原曲も何度聴いてもスゴイのだけど、このコーラスも凄くて一度聴いたら忘れないと思う。
本作はベースのジャコ・パトリアスが正式に加わり、よりポップで力づよいサウンドになるけれど、ジョー・ザヴィヌルの構成力とウェイン・ショーターのサックスが光る。
ジャズの持つエキセントリックな要素と電子楽器の持つパワフルさが融合した傑作だと思う。これをOrtofon Ethosのカートリッジをで聴くとよりパワフルでメリハリのある音になり、さらにMCトランスのFP-3427を通すと中音域の張りが出てくる。
Ethosの性格の方が強く出ているけど、明朗で聴きやすくなっているのはFP-3427の影響だと思われる。もともと映画館用のプリアンプに使われていたトランスだから、声帯の音域にメリハリが出るのあdと思われるし、製造メーカーのUTCの特徴が活かされているのだとも思う。
LS3/5a + シングル300B真空管アンプ + Topping D90 で聴く Norah Jones:レビュー
旭化成AK4499という電流出力の最高峰DACは2018年発売であるが、2021年においても最高峰である。SN比140dBというスペックは凄まじい。こうなると音源がCDではちょっと淋しいのでDSD256あたりの音楽ソースが欲しくなるわけです。もっともDSD256とPCM96の価格が開いているのと容量が違うので、おいそれとDSD256を買えないのが実情です。
PCM96を買うにしても24bit以上を購入するのが良いようで、Norah Jonesのデビュー大ヒットアルバムCome Away With Meを買ってみた。なにせ2003年にビルボード1位、2016年までのセールス2700万枚という記録ですから、オーディオのリファレンスにされている方も多いようです。
これがリマスターされてハイレゾPCMソースとして販売されたわけです。以前から買おうと思ってズルズルと引き延ばされていたのですが、ラズベリーパイで音楽サーバーを構築したので買ってみました。
女性ヴォーカルなのでMINIMA FM2で聴いた方が良いかと思うのですが、わりと太くて伸びやかな唄声でもあるので、シングル300B真空管で高音域の繊細さを加味して聴こうと思った次第です。
再生機器の構成は、プリアンプ:Chiriskit Mk6、パワーアンプ:TU8600R(300B)、DAC:Topping D90、スピーカー:Rogers LS3/5a なる新旧混合編成です。
iPhoneからVolumioを立ち上げて再生。うーん、低音域のベースラインが力強くうねり、馴染みのある唄声が流れてきます。ノーラ・ジョーンズのちょっと太めの声はそのままに高域の音が気持ちよく響きます。
LS3/5aのツイーターは僅かに高音域がきついのですが、高めの位置に設定してあるので和らぎます。しかもその位置だと、低音域の出方がすこぶるよく出て音楽全体のまとまりが良くなります。
つろつらと聴いていたら、あっと言う間に全曲が終ってしまった。JAZZなんですが、ポップスな要素がふんだんに入って、ノラ・ジョーンズが楽しそうに唄っている雰囲気がそのまま部屋の中に充満します。
ノラ・ジョーンズの唄声が綺麗にセンターの前側に張り出し、アコースティックな楽器の音が左右の少しばかり奥に位置して、余裕のある落ち着いた演奏が倍音の出やすい真空管と相まって実に朗らかに時の波が揺らいでます。
意外と旧い機材と新しい機材でも、マッチングするもんです。ハイレゾ音源だから、HiFiなエッヂの利いたスピード感のある機材でなければということではないようです。
ジェニファー・ウォーンズ ダイアナ・パントン アニタ・オデイ
クリス・コナー エラ・フィッツジェラルド カーメン・マクレエ
ダイアナ・パントン If the Moon Turns Green...を聴く レビュー
If the Moon Turns Green... 邦題が『ムーンライト・セレナーデ~月と星のうた』、2007年の発表作。パントンの2作目にあたるようです。
2018年に2xHDレーベルからハイレゾが発売されていたので、DSD64の音楽ファイルを買ってみました。2xHDレーベルから出るハイレゾ音源は高音質で優れものなので、安心して買えます。
音の響きはもう抜群です。パントンの細くて高くて甘ったるい唄声が、唸るベースの低音に溶け合って絶妙なハーモニーです。
歌の題名は月にちなんだものばかりで、ポエムチックな雰囲気とジャズの哀愁漂う風情が、遠近感の整った風景画を観ているようです。その中にも、ちょっぴりコケティッシュな唄もあって、とっても癒されます。
同じ名前のダイアナ・クラールのような艶やかさはありませんが、素朴で清楚な唄声としっかりとしたアコースティックなサウンドとのつづれ織りな音の造り方はさすがだと思えます。
メロディ・ガルドーマイルスのNefertitiをTopping D90 で聴く:レビュー
これはCDです。レコードを買いたかったのですが、なかなか質の良そうな盤がなかった。CDプレーヤーLHH300はオペアンプをMUSES03とOP42に替えてあって、艶もありいい音なんですが、美音系なのでゴリゴリした押し出し感はちょびっと不足かなと思います。
そこで、LHH300とTopping D90を同軸ケーブルで接続して聴いてみたらイケますね。Topping D90のオペアンプLME49720の影響なのかも知れませんが、少し固めでメリハリの出るのが、このCDに合うように思います。
また、CPUが旭化成のAK4499なので、音の印影が増幅されるのかも知れません。旭化成の半導体工場が火災で品薄のようで、その前に買えて良かったのですが、半導体工場で火災と言うのも不思議です。
Nefertiti(ネフェルティティ)は、黄金クインテットと呼ばれた時代のアルバムでマイルスが作曲した曲は1曲もなく、全てメンバーの作曲です。
黄金クインテットのライブ盤であるThe Plugged Nickelを聴くと、バリバリのビバップが聴け、メンバーの能力の高さに圧倒されます。その印象のまま、このNefertitiを聴くと肩透かしを食らいます。4ビートからの変節点をまざまざと突き付けらるし、メンバーが新しい時代へ向けてリードするのが判ります。
音的にはフュージョンへの一歩を彷徨している感がありますが、フルアコースティックでの演奏という点に、このCDの持ち味があるように思います。
それなら、MUSES03 & OP42の組合せの方が合いそうに思えるのですが、そうではないところが人それぞれであり、オーディオと音楽の面白いところなのでしょう。
ピーター・バーンスタインのJazz Guitarを聴く
What Comes Next
ギブソンのフルアコギターを抱えて都会の街に立つアルバムの表紙からしてカッコイイです。フルアコの心地良い音で結構熱く弾いてくれるのが、これまた往年のジャズを思わせるところがあるけれど、それはエッセンスでバーンスタインの音楽だなぁと聴かせてくれる。バーボンをロックではなくハイボールで呑みたい気分になる。
9曲のうち6曲はバーンスタインのオリジナル、1947年のポピュラーがジャズのスタンダードになったWe’ll Be Together Again、そしてガレスピーとロリンズの曲があり、メンバーのソロパートもいかしてる。
サリバン・フォートナーの弾くピアノは鮮やかだし、ピーター・ワシントンのベースのうねりに身体は揺れるし、ジョン・ファンズワースのドラミングは熱き時代のジャズの香りが蘇るというわけで、新しい曲と旧い曲が違和感なくつながり現世のジャズが堪能できてうれしい。
ミルト・ジャクソンの弾くビブラフォンでJAZZを聴く
ミルト・ジャクソンはヴィブラフォンの名手でMJQを結成した。MJQ=モダンジャズカルテットの訳だけど、当初はミルト・ジャクソン・カルテットだった。さすがバップ時代からの大御所だけあって、共演している方々も大御所のかたばかりで愉快です。
Opus De Jazz
https://audio-fragrance.blogspot.com/2020/06/saiyuuki-go.htmlのリーダーアルバムで1957年の録音ですから、34歳の時で充実した演奏を堪能できる。フランク・ウエスがフルートを吹いていて、意外とJAZZにあうんですよね、そこへエディ・ゴメスのベースが唸るようにはいってきて面白い。ビル・エヴァンスの時よりも奔放で豪快なベースを弾いていて、伴奏者としての活動が多いのだけど、隠れた主役になっている。
落ち着いた雰囲気もあれば、ミッドテンポで明るくメロディアスな曲など、あらゆるビブラフォンの奏でる音を堪能できる。どこをとってもミルト・ジャクソンなんだとわかる雰囲気を醸し出ている。
Bags Meets Wes!
これは凄い!ミルト・ジャクソンとウェス・モンゴメリーの共演アルバムになっていて、とても素晴らしい演奏で名盤だと思う。こんなにビブラフォンの明るさとちょっとどこか日の影るギターが織りなすメロディが溶け込むなんて思ってもしなかった。1961年の録音、ミルト・ジャクソン38歳、ウェス・モンゴメリー38歳と同じ年で脂ののりきった年代で、演奏も実に情緒あふれる陽ざしを帯びながら、そこはかとなく落ち着いて聴ける。そこに、ウィントン・ケリーのソロ・ピアノがすっと出てきて、切れの良い持ち味を奏でてくれる。そのバランスが絶妙なんです。それに、サム・ジョーンズのベースとフィリー・ジョー・ジョーンズのドラムスがきっちりとベースラインを押さえてくれる。この3人がサポートしていると名盤になりやすいと思ってしまう。
当然、ミルトのビブラフォンが楽しめて、モンゴメリーのオクターブ奏法も愉しめる。それにケリーのピアノが絡んで、三者三様の眺めが望めてなんの違和感もなく、夜更けにスコッチでもやりながら、時間が緩むのだと想う。
Miles Davis and the Modern Jazz Giants
これとBags Grooveの2枚はクリスマスの日に録音されたマイルス・デイビスの同一セッションで、2枚とも優れたセッションだから両方聴くとより愉しいし、同じ曲の別テイクがあって、ジャズって瞬間なんだなぁとしみじみ思う。まぁ喧嘩セッションと言われて有名ですし、聴けば聴くたびに効いてしまう音でいつでも生きてるんです。
モンクが弾くのをやめたテイクがA面の一曲目にあるところに、このLPの凄さが出ててると思う。モンクのソロが始まるとモンクらしい不協和音のような旋律を一音一音ゆったりと弾くのだけど、的確で早いドラムとベースのリズムセクションにあっている。だけど、ピアノの音が無くなるのにベースとドラムは変わりなく、ごく普通にリズムを刻む音がこれまたカッコイイ、ベースはパーシー・ヒース、ドラムはケニー・クラークのMJQの二人です。そして後方からトランペットのメロディが挿入されるとピアノを再び弾き始めるんです。
でもやっぱり隠れた主役はミルト・ジャクソンのビブラフォンで、マイルスのソロと遜色がありません。すごいメンバーなのでどなたの演奏もカッコイイのですが、聴き終わるとどうしてもビブラフォンの音が残っちゃうんです。
Bags Groove
クリスマス・セッションのもう1枚です。A面の1曲目の出だしを聴いた瞬間に、あっあの曲だと気づきました。有名な曲なのでどっかで聴いているのですが、このLPとは知らずに買っていることが笑えます。ミルト・ジャクソンのビブラフォンが冴えわたる名曲ですよね、ビブラフォンの響きが心地良く、こんなにジャジーなんだと思えるし、余韻の消え方が弦ともピアノとも違ってちょっとぬくもりが蕩けるようにスピーカーが鳴ってくれると嬉しいです。そして、同じ曲を別テイクで2曲続けてあり、これでA面が終ってしまうのですが、聴き飽きるということがありません。まぁ、BAGSはミルト・ジャクソンのニックネームらしいので、そのとおりミルト・ジャクソンのLPに思えます。
Miles Davis and the Modern Jazz Giantsとあわせて凄いメンバーですよ、マイルス・デイビスにMJQの3人であるミルト・ジャクソン、パーシー・ヒース、ケニー・クラーク、それにピアノの大御所であるセロニアス・モンク、そしてソニー・ロリンズまでいる。是非聴いておきたい2枚です。
ケニー・バロン Without Deception:レビュー





