LS3/5a + シングル300B真空管アンプ + Topping D90 で聴く Norah Jones:レビュー

  旭化成AK4499という電流出力の最高峰DACは2018年発売であるが、2021年においても最高峰である。SN比140dBというスペックは凄まじい。こうなると音源がCDではちょっと淋しいのでDSD256あたりの音楽ソースが欲しくなるわけです。もっともDSD256とPCM96の価格が開いているのと容量が違うので、おいそれとDSD256を買えないのが実情です。


 PCM96を買うにしても24bit以上を購入するのが良いようで、Norah Jonesのデビュー大ヒットアルバムCome Away With Meを買ってみた。なにせ2003年にビルボード1位、2016年までのセールス2700万枚という記録ですから、オーディオのリファレンスにされている方も多いようです。

 これがリマスターされてハイレゾPCMソースとして販売されたわけです。以前から買おうと思ってズルズルと引き延ばされていたのですが、ラズベリーパイで音楽サーバーを構築したので買ってみました。

 女性ヴォーカルなのでMINIMA FM2で聴いた方が良いかと思うのですが、わりと太くて伸びやかな唄声でもあるので、シングル300B真空管で高音域の繊細さを加味して聴こうと思った次第です。

 再生機器の構成は、プリアンプ:Chiriskit Mk6、パワーアンプ:TU8600R(300B)、DAC:Topping D90、スピーカー:Rogers LS3/5a なる新旧混合編成です。

 iPhoneからVolumioを立ち上げて再生。うーん、低音域のベースラインが力強くうねり、馴染みのある唄声が流れてきます。ノーラ・ジョーンズのちょっと太めの声はそのままに高域の音が気持ちよく響きます。


 LS3/5aのツイーターは僅かに高音域がきついのですが、高めの位置に設定してあるので和らぎます。しかもその位置だと、低音域の出方がすこぶるよく出て音楽全体のまとまりが良くなります。

 つろつらと聴いていたら、あっと言う間に全曲が終ってしまった。JAZZなんですが、ポップスな要素がふんだんに入って、ノラ・ジョーンズが楽しそうに唄っている雰囲気がそのまま部屋の中に充満します。

 ノラ・ジョーンズの唄声が綺麗にセンターの前側に張り出し、アコースティックな楽器の音が左右の少しばかり奥に位置して、余裕のある落ち着いた演奏が倍音の出やすい真空管と相まって実に朗らかに時の波が揺らいでます。

 意外と旧い機材と新しい機材でも、マッチングするもんです。ハイレゾ音源だから、HiFiなエッヂの利いたスピード感のある機材でなければということではないようです。

ジェニファー・ウォーンズ  ダイアナ・パントン  アニタ・オデイ

クリス・コナー  エラ・フィッツジェラルド  カーメン・マクレエ

真空管 300B パワーアンプ TU-8600 組立編

LS3/5a セッティング編

真空管プリアンプ クリスキットmk6 修理編