『罪人を召し出せ』を読んでみた

  ヒラリー・マンテル 著  宇佐川晶子 訳

 16世紀英国の宮廷における権力闘争を画いた作品で、ヘンリー8世の王妃アンの」凋落を枢機卿トマス・クロムウェルの視点を通して物語は進む。NHKの大河ドラマだと思えばわかりやすい。でも、教訓や感動するような場面はない。


 ヘンリー8世と言えば、カトリック教会に逆らってイギリス国教会を創出しおた人物として名高い、それも最初の奥さんと離婚してアンと結婚をするために。もっともそのおかげなのか、6人もお妃を取り替えている。

赤い高梁 莫言 著 井口晃 訳

 高梁とはイネ科モロコシの品種で赤い花が咲き、葉はトウモロコシにそっくりなので、トウモロコシのような実がなるのかと思いきや、大き目な粒の実が稲のように連なります。


 そんな高梁畑が雄大に広がるなかに起きた支那事変に対する抗日事件の物語です。主役は祖父と祖母になり、まごが「わたし」と称して物語を綴ります。そしてその「わたし」が作者の莫言かと思うほど、リアリティな文章でフラッシュバックやカットバックが多用され、まさに映像が明晰に映し出されて動き始めて映画を観ているような錯覚に陥ります。(紅いコーリャンと言う有名な映画の原作ですが、私は映画を観てはいません。)