グレゴリー・ポーターのALL RISE を聴く

  グレゴリー・ポーターは2020年にもっとも売れているジャズシンガーだそうで、太くて柔らかい声が特徴的なのだけど男性ヴォーカルだからと避けてきたのですが、ラジオから特集が流れて米国留学帰りの女子アナDJがもうこれは説明は要らなくて買うしかないです~と苦笑いする解説をしていた夜にHDtracksから20%引きのメールが来ていたので、ついつい買ってしまった。


 96kHz24bitのハイレゾダウンロード盤です。最近のアルバムに漏れず音圧が高い、どうもダイナミックレンジを広げて音質を良くしようというのが目的のようですが、個人的にはアンプのボリュームを回せないのが気になる。あいもかわらずいい声をしていて抱擁感がある。そうその抱擁感がちょっとと思うものだから買わなかったのだけど、音楽の構成を聴いていると実に巧みなのに気づいた。幅広い唄い方をするもので、意外にヒップホップ系もいいのです。ランチの後にちょっと濃い目のコーヒーを落としてほっとするひと時に聴きたくなりますね。


アル・ディメオラのギター           ペギー・リー

デイヴィッド・サンボーン    ジェニファー・ウォーンズ




リッキー・リー・ジョーンズを聴く

リッキー・リー・ジョーンズ

 名前を見ると男性かなと思うのだけど女性なんです。1979年のデビューアルバム前から話題になって、アルバムを聴いて納得。お金がなかったからレコードをレンタルしてきてテープに録って四六時中聴いていた。声が子供っぽいのだけど唄い方は大人という感じにカントリー調でポップな曲がマッチしていた。バックバンドも有名な人たちだったように記憶している。

 久々に聴いたけど、やっぱりいいね。リズムの取り方とアクセントが独特でちょっと間のある音が印象的で記憶に残る。なんだかんだと言ってもやっぱり1枚目の衝撃が強い。


パイレーツ

 2作目は1作目の延長にあり、リッキーを堪能できる。1枚目ほどには売れなかったのは、1枚目が売れすぎて聴きなれてしまったからだと思うけど、2枚目の方が落ち着きがあってしっとりする安心感がある。

 ラッキーガールという曲なんかはスローで語り掛けるように唄ってくれるし、ストリングスの使い方なんかもクラシカルな感じがしていい。繰り返し聴いても飽きの来ない味わいのあるアルバムだと思う。


マガジン

 スタジオ録音のアルバムとしては3作目です。とても大人びた曲調になって、ポップでわかりやすいリズム・メロディーから流れるような曲調になり、音の構成もより複雑に重なるような感じで、なんとなく気だるさを感じてしまう。



ニチニチ草と思われる花

  マンデビラと思われる白い花弁に黄色のおしべ、その下周りを取り巻くように紅と白の花が咲いている。色は違うけど同じ花の種類に見える。写真を切り取ってグーグルの画像検索をすると似た花があった。Madagascar periwinkleというらしいのだけど、右側の欄にニチニチソウと出ている。なんだ日日草かと思いながら、名前は知ってたけど現物をわかっていないことに気づく。そうなんですよね、意外と名前は知っているけど現物を知らないことがある。


 初夏から晩秋まで次々に花が咲くから日日草というらしい。これだけの期間で花が咲いてくれると楽しいだろうと思う。色もとりどりあって愉しめそう。


大葉にも小さな花が咲くんだ

  大葉と青ジソは同じもので、梅干しに入っているのは紫蘇で赤い色をしている。紫蘇は梅干しと一緒に食べることが多いけど、大葉は刺身と一緒に食べたり、パジリコの代わりにパスタに入れたりとトッピングとして重宝します。7-9月に葉っぱをちぎって食べてますが、9月下旬にとっても小さな白い花が咲いたのです。あまりにも可憐な花なので、これでよく実ができるなと感心してます。

 葉っぱは虫に結構食べられて穴がぽこぽこと空きやすいのですが、花は小さすぎてどうやって蜜を吸うのでしょうか?受粉しないと種はできないので、やっぱり小さな虫が寄ってくるんでしょうね。なにせ5㎜も無いような花ですから、観たら何故か癒されます。





プリテンダーズを聴く

  クリッシー・ハインド率いる英国のロックバンドで1980年にアルバムを出して以来、2020年の現在も活動を続けている。赤い革ジャンを羽織ったファーストアルバムの写真どおりにシンプルでストレートなロックをちょっとしゃがれて湿ったハスキートーンの彼女のヴォーカルが粋に感じる。

聴いているのは4作目のアルバム『ゲット・クロース』をカセットテープに録音した物で、TDKのSA(クロム)にドルビーBのノイズリダクションが掛けてある。テープ幅3.81㎜という狭い中に4トラック入れて往復で使えるようにしていて、賢い人がいるんもんです。そんな狭いテープ幅なのに、この録音は優れていていい音が出ているを今更改めて驚いている。

それにしても、どことなく投げやりっぽい癖にエネルギッシュな歌い方をするクリッシーの声に引きずられる。

ロリー・ギャラガーを聴く

  1970年前半は有名なロックギタリストに溢れているけれど、ブルースギター弾きとして忘れてはいけないのがロリー・ギャラガーです。ライブでの演奏がつとに有名ですが、この当時のスタジオアルバムも優れている。その中から、HDtracksからでたリマスターした96kHz24bit版を律義に送ってくれる20%OFFクーポンでタトゥーを買ってダウンロードした。



 まず聴いて驚いたのは、こんな綺麗な音だったかしらんというぐらい鮮明でエッヂの利いた音なんです。相当昔なので記憶が定かではないのですが、もっとワイルドで歪んだブルースだったように思うのですが、最近のマスタリングは優れているし、生テープを綺麗に再生できるからでしょうが、リマスターしたハイレゾ版に優れものが多いようです。



 ギャラガーのギターも良いけれど、ヴォーカルもブルースっぽくていいんです。マスタリングも良いから、ヴォーカルとギターリズムセクションのバランスが綺麗でとても聴きやすい。聴きやす過ぎて当時の粗削りの粘っこさが足りないのがちょっと淋しいが、ついついリズムとギターに弾きこまれてリズムをとっていた。買ってよかった。

ショスタコーヴィチのレコードが増えたので曲について整理してみる

  ドミートリ・ショスタコーヴィチ(1906-1975)はソビエト連邦時代の作曲家で有名な交響曲作家としては最後の世代ではなかろうか。メロディから音の効果音の連なりへと導かれ、現代音楽の萌芽を感じる。音を聴いているとスネアドラムの使い方はジャズを連想するし、金管楽器は映画の挿入音楽を想い起す。実際に曲を調べてみるとジャズも映画音楽も作曲しているので驚いた。メロディラインの曲はポップスになってしまったけど、再び交響曲作家の生ずることを願いたい。


交響曲第3番 コンドラシン指揮

 『メーデー』と名のついた交響曲で祝祭的雰囲気を表現するなどと言われていますが、曲を聴くと近代的な音楽の初端を聴くようで単にメーデーを祝うことが主眼だったら、5番と同じようにオーソドックスな構成にしたと思うのです。

 曲全体はプロトタイプという印象を持つのですが、音だけを聴くと結構面白く、打楽器のダイナミックさが映画音楽を彷彿とさせる。出だしはオーソドックスに始まり、金管も木管も弦までも打楽器のように打ち込むような音に溢れる。なんだかスリリングで緊張に追い込まれるようなシーンで、ハラハラしているうちに終わる。30分弱なのでいいところで続きは次週なんて感じに思える。


交響曲第4番 コンドラシン指揮

 初演をドタキャンしてお蔵入りになってしまった交響曲である。スターリン時代の粛清などきな臭い騒ぎに巻き込まれたのが要因であるらしいが、これに差し替えて5番を作曲し初演で喝采を浴びている。5番の題名は革命であるし、構成的には判り易い。でも、音だけを聴いたら何故そうなるのかはわからない。国家安康と同じことなのだろう。あとやたらに編成が大きいので有名だけど実際に作曲家が指定した編成で実現できるのかしらと思ってしまう。

 いきなりすさまじい打楽器と弦の咆哮で始まる。他の指揮者の場合はもう少し穏やかに始まりシロフォンだと思われるのが、なにせ鉄琴のように聴こえ音が突き抜ける。いろいろな音とリフが入り混じって気の休まるところが無い。ちょっと穏やかな弦のフレーズがでるけど次に何が起こるのかわからない切迫感に緊張する。そして裏面に入ると穏やかさと緊張が交互に現れ、徐々に穏やかな部分が増え、エンディングで大抵は盛り上がり壮大なコーダで終わるのだけど、4番は静かに消えてゆき力尽きたように終わるのが印象的。きっとこの終わり方を危惧したのだろう、スターリン時代の終焉を予兆させると因縁をつけられそうだ。

 聴き終わるとなぜかしら人の一生を観たように思える。生なるものの誕生の不思議と驚きと祝いがごっちゃになり、観るもの聞くもの興味がつきない思春期、はらはらドキドキな青春期、少し落ち着きのある壮年期、そして老年期と臨終。何回か聴いて思ったことは、音量を大きくして聴いた方が愉しめるということです。こういう音楽があるから、大きなスピーカーと室が欲しくなる。


交響曲第5番 ムラヴィンスキー指揮

 レコードがモノラル録音で古くてパチパチと音がして、サーというホワイトノイズが気になるけど、レニングラードオーケストラの圧倒的な凄みに消し飛ばされてしまう。レコードの特典期限が昭和43年3月31日とあるので、録音は1954年か1965年のどちらかで、レコード会社がビクターなので1954年ではないかと思います。

 4番が演奏できなくなり、5番をさっさと作ってしまうところが凄いし、批判をかわすためか古来の手法に準じた音で構成されているところも大したものだと思う。きっとマーラーまでの音の造り方は分析しつくしていたのでしょう。そいう意味では聴いていてどことなく安心感のある曲で、題名は『革命』と穏やかではないのですが、ロシア革命20周年を記念しているようで大団円で聴けます。単純にムラヴィンスキーに圧倒されて楽しめます。


交響曲第5番 コンドラシン指揮

 とにかく静か、あまりにも淡々としてオーケストラが響いている。とても祝賀という感じはしないけど、この曲はこんなにきれいな音だったんだと違うところで感心してしまう。演奏がどこかシニカルなせいなのか知らないけど、音量も小さめの録音になっている

 ショスタコーヴィチの本音の部分を音で表現するとこうなのかもしれない。コンドラシンの他の4曲を聴く限り、ショスタコーヴィチの鋭さがよく表現されているから、この曲にはそのアグレッシブな部分が隠されてしまい、それも含めての演奏なのかもしれない。それがショスタコーヴィチにしては珍しく綺麗な旋律なのでしょうか。



交響曲第6番 コンドラシン指揮

 第1楽章は穏やかでストリングスのメロディラインがスムースでショスタコーヴィチらしからぬ展開でどことなくマーラーを想い起してしまう。全体で30分足らずの曲の内、第1楽章が半分を占めていて落ち着いた気分になり、第2楽章から盛り上がってきます。この第1楽章と第2楽章を聴くと第7番の第1楽章へのつながりを感じ、第3楽章はさらに盛り上がって行進曲風にピッチも早くなり、ストリングスも響くのではなく打つように音が鳴り、ショスタコーヴィチらしさが展開される。

和洋折衷ではないので古今折衷というイメージでなかなかに良い曲だと思うのですが、印象に残るパートがないのでがちょっと残念です。でも、第1楽章はゆるりとした心持になっていいです。


交響曲第7番 ペトレンコ指揮

 ロイヤル・リバプール・フィルハーモニー演奏、ヴァシリー・ペトレンコ指揮のショスタコーヴィチです。これは、2xHDというハイレゾ音楽をリリースしているレーベルで、単にサンプリングレートを上げているのではく、リマスターしてJazzやClassicを販売していて音質が優れていると言われているので買ってみました。HDtracksからPCM192kHzをALACフォーマットでダウンロード、フォーマットは各種選べて20%OFFのセールスもあるのでいいです。

 レニングラードと名付けられていて第二次世界大戦の勝利を祝しているといわれるように、音楽もわかりやすく、リヴァプールのオケも気持ちの良い演奏ですが、弦の高域音の響きがちょっとたりないように思えます。第1楽章がボレロのように同じフレーズが繰り返されて徐々に大きくなり、このフレーズが耳に留まり、スネアの音とともに刻まれます。全般的にオーソドックスな音で静かなメロディラインも多く弦の音が綺麗、エンディングは盛大に盛り上がるコーダで終わります。難しい時代背景の中で従来の音で作曲しても良い曲になるところが天才の一端かと思うし、その中でもエッセンスを振りかけるところは生き様としてただただ凄いなと思うのです。


交響曲第9番 コンドラシン指揮

 7番の第1楽章を連想するポップスを予感させるようなリズムとメロディが聴こえてショスタコーヴィチ にしては、ついついリズムを踏んでしまうような親近感が出ます。3番と同様に短いのですが、何か戸惑いを感じさせるものがあります。何か忘れ物をしてきたかのように構成のまとまりを欠いて終演してしまうように感じます。






交響曲第11番 コンドラシン指揮

 題名が1905年とあり、ロシアでおきた血の日曜日と呼ばれる惨劇がテーマなようだ。その年には映画『戦艦ポチョムキン』で知られている反乱が起きた動乱の始まる年にあたります。『戦艦ポチョムキン』に画かれたオデッサの階段は市民が銃殺される場面ですが、史実には無いようですから血の日曜日を示していると思われます。音楽がこれらのシーンを表現しているのは聴いていてよく分ります。

 スネアドラムが心臓の脈を煽るかのように鳴り響き、精神的な圧迫がちぎれるようにA面が終る。裏返ってB面は恐ろしい響きで低い弦が静かに唸り、部屋の片隅まで悲しみがみちみちてゆくと、金管の咆哮によりうねりが高まってゆく。ショスタコーヴィチの映像音楽であり、古き親しんだ音と新しき効果音とがあいまった混沌としたところが、ショスタコーヴィチの隠れた心境があるように思えてくる。


交響曲11番 ペトレンコ指揮

 なぜかまた11番です。これはHDtracksのメールでNAXOSレーベルの半額セールが来て、物色していたところペトレンコ指揮リバプールオーケストラのショスタコーヴィチ1番を見つけたので買ったのです。 聴いてよく見てビックリ、Shostakovich Vol.1 のあとにNo.11と書いてある。なんと見間違えてしまった、同じ曲を違う演奏者だからと買うほど裕福ではないのですが、買ってしまったのでは致し方ない。

 ところが、聴いてこれまたびっくり。96kHz32bitの録音は綺麗いです。NAXOSなので、そんなに期待していなかったのですが、2008年の録音でそこそこ新しく、各楽器のセパレーションがすばらしく定位も優れているので、聴いていても楽器が見えるかのようです。出だしの音が小さな曲ですが、潰れずに繊細で輪郭のある音が聴こえ、スネアドラムを叩く音は歯切れがよくて臨場感が湧き立ち、緊張が走るんです。コンドラシンの方が壮絶な音で圧倒されるのですが、ペトレンコの方が鮮明でまとまりがあり綺麗なので各場面のイメージが残りやすいです。最近の技術の進歩を感じるわけです。


交響曲第14番 コンドラシン指揮

 題名が死の詩(うた)とあるだけに、厳かで慄きのある曲に聴こえます。太くて暗いバスにこれまた重苦しいソプラノがアカペラのように響く、伴奏はあるのだけど無音調で効果音のような音だから、まさに現代音楽の迷路に入るように思える。それでも、歌はメロディがあるので聴いていられ、まさに地の底を這うかのようだ。新しいところではグレツキーの交響曲3番を思い出すけど、まだこちらの方が伴奏にメロディがある。

 音楽的には凄いと思うのだけど、聴き終わるとなんだか気が抜けて暗くなる。現代音楽の始まりだけど終わりでもあるのではないか。メロディやリフはポップになってしまったけど、交響曲でも数々のメロディの集成なのだから、アビーロードのB面のような交響曲が出てくることを希う。



マンデビラと思われる赤と白い花

  白と赤のコントラストがとても綺麗な花が遠目からも映えて目に留まります。秋の昼下がりに、大きめの5枚の花びらが柔らかく風に揺れていて、高い青空にすがすがしさを添えています。花の名は相変わらずわからないので、画像検索してみるとマンデビラのようです。開花時期は春から秋にかけてとありますから、結構長く咲くようですし、見た目も派手なので園芸に向いているのでしょう。



 この花はピンクが多いらしいとの事ですが、こちらは純白と純赤で二色が並んで咲いているところがGoodです。秋の陽ざしが気持ちよさそうで、こちらも何だか気持ちが弾んできます。ふらふらと歩いているだけなんですが、花の好きな人が多くて楽しませて頂いてます。