エマーソン、レイク & パーマー(ELP)を聴く

 展覧会の絵

 ELPで最初に聴いたのがこのアルバム。もの凄い衝撃を受けたのとクラシックには全く無知だったのでカミさんに聞かせたら、ムソルグスキーの曲だと教えられて唖然としたのを覚えている。

 

この時に音楽ってジャンルはあってないのだと思うようになった。この主テーマのメロディが好きでオーケストラを聴くようになった。

 原曲に唄は無いし、もともとはピアノ曲だからアレンジし易かったのかも知れないけれど、グレッグの声はとても気持ちが良く、とても愉しい。

 最後にナットロッカーと言う曲が入っているけれど、これもまたくるみ割り人形というクラシック曲だと教えられた。ちなみにくるみ割り人形の英語名がナットクラッカーだった。



Emerson, Lake And Palmer

 ファーストアルバムは1970年にリリースされ、バンド結成時に既に有名だった。これを聴いているはずなのだけどレコードがないので、ついつい中古を買ってしまった。


 シンセサイザーは一部でしか使われていないけど、バンドとして演奏の力量がわかる良い作品だと思うし、グレッグの声がエピタフの声と同じで心地良い。

 また、クラシックの曲をうまく取り入れていてELPのフォルムが出来上がっていて、シンプルなプログレシブロックに好感がもてる。ロックなのにリードギターのチョーキングを聴かないのも新鮮に映る。



Trilogy

 3枚目のアルバムで1972年にリリースされた。A面は、ピアノとシンセサイザーの奏でる旋律で始まる永遠の謎パート1~フーガ~永遠の謎パート2の3曲は一連の楽曲のように聴こえ、クラシックの形式を取り入れているように思える。シンセサイザーが前面にフューチャーされて、ベースのメロディにドラムのリズムが重なる容姿は正にELPです。


 メロディラインの繰り返すポップスとは離れ、電子楽器を駆使して歌曲を創作しているコンセプトのように感じる。



Brain Salad Surgery

 邦題は『恐怖の頭脳改革者』、直訳すると『脳、サラダ、手術』なので妙訳だと思う。だけど、このタイトルの曲はなくてLPの60%を占めている悪の教典がアルバム名のイメージとして付けられたと思っていたら、実はシングルのみで発行されたようです。


 キースのクラシックを料理した曲調はA面で健在なのですが、悪の教典に関しては現代音楽とシンセサイザーという一つのスタイルができたように思います。これにキースらしくシェーンベルクからのモチーフが振りかけられていたら、怖くて聴いてられないようになった気がします。

 アルバムの頭蓋骨が印象的ですが、曲もまた印象的でマイルスのビッチェズ・ブリューを彷彿とさせられ、そこにクラシック的なアプローチとロックのエッセンスがエマルジョン的に相互干渉している気になる。

ジミ・ヘンドリックス
レッド・ツェッペリン
ロイ・ブキャナン

ブルーノ・ワルター指揮のモーツアルト交響曲40番 シナジーで聴く