ビンカー・ゴールディングのサックスを聴く:レビュー

 2021年になる今日、ジャズもクラシックもロックも融けかけていて渾然としているように思える中で、新しいジャズはロンドンから巻き起こっているようだ。ヌバイア・ガルシアのようにアフロビートにのったサウンドが多い中でビンカー・ゴールディングのサックスはビバップな古き良き時代のジャズ音がところどころに散見されながらサックスを吹きまくる。


 アブストラクション・オブ・リアリティ・パスト・アンド・インクレディブル・フェザーズとやたらにアルバムタイトルは長いけど、久しぶりにこれだけ気持ちよく吹き抜けるサックスを聞いて嬉しい。ウィントン・マルサリスの若い時を想いだし、インプロビゼーションのジャズを想起させながら、うねるビートとリズムは新しい時代の芽を感じる。

 うーん、エネルギッシュなジャズやロックを聴くとやっぱり血が湧くね。