オーディオテクニカAT-VM95ML:レビュー& 1012GXの設定を変えてみる

  オーディオテクニカから出ている安価なMMカートリッジAT-VM95MLを買ってみた。高価ではないので新品を買うつもりだったのに、ヤフオクに新古車みたいなのがでたものだから、結局中古を買ってしまい貧乏性は抜けないようだ。一応、Youtubeで試聴した限りでは、なかなかな音をしている。

 Youtubeに音源があるのは非常に助かるので、iPhoneで録音した音をアップするようにしている。ちょっと不満なのはiPhoneの録音自体が優れていない点であるが、拙宅では致し方ないのかもしれない。


 オーディオクラフトのトーンアームAC-400に繋いでマランツ#7タイプのフォノイコライザーで聴いてみる。うん、なかんなかです。カートリッジ本体なら17千円強で売っているわけですから、コストパフォーマンスはとても良い。電子楽器のポップスやロックに合っています。旧いロックなどはちょっと粗削りなロックンロールらしさが出ていいです。

 アコースティックな楽器になると響きが弱く、音の陰影が沈みます。このような点は流石に高級機との違いが出て、オーケストラのトッティな部分や音の重なりなどは苦しいようです。


 しかし、このカートリッジはプチノイズを拾いにくいようで、目に見えないゴミが取れないものや録音に問題のある古いレコードを聴くには重宝します。

 ロックがなかなか良いので、QL-A75の軽量ストレートパイプに付け替えて、YAMAH A2000のフォノイコライザーで聴いてみたのですが、これは相性があいません。仕方なく元に戻した際にVM95用のヘッドシェルのリード線を切ってしまいました。端子の部分が細くて折れちゃいました。半田付けして直しましたが、取替の際はお気を付けください。

 ストレートパイプに付いていたGoldring 1012GXを古いパイオニアのヘッドシェルに付け替えてAC-400 ⇒ マランツタイプのフォノイコに繋いでみたら、これがまたいい音がするんです。1012GXはMMですが、Goldringらしい緻密な音がしますから、真空管のフォノイコの方が倍音が綺麗に出るのでしょう。

その組み合わせでは聴いていなかったので目から鱗です。ちょっと前にオペアンプLT1115のフォノイコにつなぎ力感がでて良かったのですが、さらに艶がでて音楽の情感が染み出してきました。VM95MLを買って、良い連鎖がでて愉しいです。

 QL-A75の軽量ストレートパイプはカートリッジを随分と選ぶようです。軽量なカートリッジでは、あまり良い結果に拙宅ではつながらないようです。ヘッドシェルもストレートパイプと一体ですので小細工が利きません。今はサエクのC-1を付けてYAMAH A2000のヘッドアンプ・フォノイコで聴いています。A2000フォノイコの電解コンデンサを替えてからヘッドアンプを使ってなかったので分からなかったのですが、高音域が伸びやかになり、女性ヴォーカルなんかはとても流麗な響きで購入時の昔日を思い出します。

 シュアが2018年にカートリッジから撤退して、安価で良いカートリッジが少なくなる中、オーディオテクニカにはこれからも頑張って欲しいです。