レコードノイズとカートリッジの相性について

  レコードを聴いていると音の通る機材がいくつかあり、複数の機材があると組合せだけでもかなり多くなるのだけど、それで持っているレコードをまんべんなく聴くなどと言うことはできない。なので古くから持っているレコードを聴くとたまにハッとすることがあり、こんなに響きの良い音だったかしらんと想う驚きがあるからオーディオの機材が増えるという悪循環に陥ります。まぁ趣味とはこんなものだからいいのかも知れないのだけど、レコードで困るのはノイズだと思う。


 新品で買ったレコードですら、なぜか静電気を帯びやすいものとそうでないものがあり、それが製造元の問題なのか製造ロットによるものなのか、聴いているターンテーブルシートやカートリッジの問題なのか皆目わからない。それどころかレコードを裏返す時にとりそこなって爪がレコード面を擦ってキズの入る場合もあり悲しい思いをするのだけど、なぜかカートリッジによってノイズの出方が違うのである。傷はいたしかないとしても綺麗な盤面なのにプチノイズのでるものは非常に困る。そのおかげでレコードの洗浄については試行錯誤が続いている。特にプチノイズについてはカートリッジでの違いが大きい、おそらく針の形状や針圧に起因するのではないかと思う。特に針の形状では、丸針、楕円針、シバタ針などの差は大きいようですが、特にどれが出やすいということではなく、汚れのついている部分によるのではないかと思える。丸針で出やすくシバタ針で出にくい場合は、レコードの溝の中央部分に眼に見えないゴミが付着しているように思える。逆にシバタ針で出て、丸針で出にくい場合もあるのだけど、左右のどちらかだけで出るわけでもないので不思議である。



 シバタ針は4チャンネル再生を目的として開発されたもので、初めて買ってもらったステレオが4チャンネルだったけど、4チャンネルのレコードが売っていなくてサラウンドを味わったのは付属で付いてきたテスト盤だけだった。だいたい一本の溝で4つの再生をするのだから、左右だけでなく上下にも2段に分かれて溝があるようで、SACDとCDの両方が再生できるディスクは2層になっているのと同じ考えのようだ。もっとも古いのはレコードだから、まねたのは光ディスクのほうだと言える。でも、よくそんなことを考えて実際に作ってしまう技術者の見識と実行力に頭が下がる思いです。上下2段にある溝に針をあてるので接触面積が増えるように作るので、高音域まで綺麗に再生できるようです。なので、シバタ針でプチノイズが出やすい場合は、溝の上の方にゴミが付着していると思えるのです。


 レコードの手入れで重要なのは静電気対策のように思えます。静電気を帯びたまましまっておくとゴミが付着しやすいように思える。外国製のレコードの袋がポリエチレン系のものは静電気を帯びやすいようで、紙の袋の方がいいのではないかと思えます。でも中古で買うことの多い昨今では、悪戦苦闘することになるのです。でも、シバタ針と相性の良いクラシックレコードに当たり、実に繊細で伸びやかな弦の音にハッとするわけです。