MM型の米国製カートリッジでピカリングの一流品と言われるカートリッジです。中古品を購入した時にオリジナルでない針がついていて、高音域でハウリングするなど困り、XSV3000の針に替えてみたけどヒステリックなところは同じで腰も高く、こういう傾向なのかと思ったりもした。
どうもこの評価の音には思えないので、JICOから出ているD-4500Q 交換針を買おうかと思うのだけど、\17,500もして、カートリッジを買った値段より高くて躊躇してしまう。
長い期間悩んでいる内に、サエクC-1でダンパーがへたって腹が底に着きそうな時、やむを得ず呉のラバープロテクタントを噴射して僅かに持ち直したことを思い出した。高音域でヒステリックになりがちで低音が出にくいのはダンパーの劣化ではないかと思った。
ダメ元で試すことにした。MMなのでコイルにかかることはなさそうだけども針にはかかるわけでリスクもある。ラバープロテクタントの噴射ノズルに細長いパイプを付けて、抜いた針の中心部に近づけて軽く2~3回吹き付けてみる。針をカートリッジに戻して数時間放置する。
ターンテーブルのカートリッジを交換して、MCトランスをPASS設定する。かけたレコードはソニー・スティットのマスカレード、JAZZビバップのサックス奏者の若かりしのアルバム。一聴してあまりにも驚く。
ベースの唸りが低くてはじく音の響きが押し寄せてくる。サックスの切れ込みも鮮やかで残る響きの余韻もいいし、ヒステリックな部分が影を潜め音の重心が下がり、解像度も優れている。うーん、これMMだよねと思わず独り言。
ダンパーはゴムなのでどうしても経年で変化してしまう。古いカートリッジは避けて通れない部分で実にもどかしいところです。でもXUV4500Qの評判がよく分り、ちょっとレコードを聴き直すことになりました。