2022年に買った音質の良いアルバム

  2022年はウクライナでの戦争に始まり、物価上昇によるインフレが進み動乱の一年でしたが、大谷選手を応援し、サッカーを観て喜び、音楽を聴いて住ごせることに感謝します。

 相も変わらずアナログのLPを買っていますが、音質的にはDSDで録音されてDSDで発売されているデジタル音源を聴くとさすがにDSDの方が安定してよいアルバムが多く、特に無音時の静けさが聴感に大きくかかわっているように思えます。

小さきものたちの神を読んでみた  アルンダティ・ロイ 著  工藤惺文 訳

  インドに住む幼き双子の姉妹の思い出を振り返るお話し。20世紀後半の時代なので同じ時代の若き頃を書いた『喪失の響き』を思い出したけど、随分と趣は違って青春時代の哀愁感は少なく、『斜陽』のような陰りと退廃のなかにカースト制度の絶対感が漂う。



略奪の帝国を読んでみた  ウィリアム・ダルリンブル 著 小坂恵理 訳

  イギリス東インド会社の興亡と副題にあるとおり、世界で初の会社の歴史書です。1600年にインド貿易を始めるにあたり、船舶への資本集めとして航海ごとに株式を集め利益を分配したことが株式会社の始まりですが、これだと保険に近い形式だったように思われます。1600年と言えば日本国内では関ヶ原の戦いなのですが、すでに資本主義の産声が生まれていたわけです。