どのヘッドフォンにしようかとずっと迷っていたのですが、Beyerdynamicの開放型DT1990proの生産中止を知って買いました。ヘッドフォンは種類が多くて悩むし、youtubeで簡易な試聴もできなくて困るんです。それに、ヘッドフォンアンプを作ろうと思って機材は買ったのですが、夏までに作ればいいと思い、未だ作ってないのでヘッドフォンも迷ったままでした。
しかし、生産終了の報を見てダメだ買わないと、新機種のDT900Xも出て価格も手ごろになっているから、DT1990proも安くなっただろうと期待したのですが、なぁ~んとちょっとだけ値上がってる。それでも、ブラックフライデーで割引があって買いました。
【音質】
さて音出しなんですが、とりあえずアキュフェーズE-470のヘッドフォンジャックにつないで聴いてみました。E-470はヘッドフォン専用のアンプを搭載しているのですが、8Ωから対応しているのでヴォリュームを普段より随分と上げることになりました。さすがにインピーダンスが250Ωもあると音量が小さいです。
音質はgood!です。CDからリッピングしたカルロス・クライバーの魔弾の射手を聴く、男性歌手の科白がホールに響き、空間の広さや二人の立ち位置が良くわかる。スピーカーで聴いているとエコーの響きがすぅっと消えるのだけど、DT1990proの方が残りやすく、高音域の残像がつかみやすい。
さすがに高音域に特徴があると言われているのがよく判るし、表情が浮き出てくるように聴こえる。音の定位は上下左右ともに素晴らしく、オケの楽器がよく分離されて配置が見えるようです。でも奥行きに関してはヘッドフォンだけにより難しい、スピーカーで聴いても上手く出ないのだから、前方がなく直接耳に当てていることを思えば優れている。
DSD256のマーラー#1を聴く、ダァーラーラララー、ダァーラーラララー、ダァーラーラン、ダァーラーランと静かにうねるところなんか、低音から高音まで綺麗に調和して揺らぐように感じる。ChannelClassicsの優れた録音がものの見事に蘇る。トライアングルの音の余韻がこんなに綺麗だなんて思ってなかった。
PCM96kHz 24bitのスティービー・レイ・ボーンを聴く、彼の太い弦のギターサウンドは言うまでもなく、ダブルトラブルのリズムセクションが僅かに後ろでガンガン攻めてくる。ドラムのキックやベースの唸りが体感として伝わってくるのが判って嬉しくなる。
これは開放型なので、スピーカーを鳴らしてみると音が聴こえる。(インピーダンスが大きいのでスピーカーの方が音量が出ている)TANNOY Precision6.2LEというタンノイらしからぬ、ハイスピードで切れのあるモニター系の音なのだけど、実に良く似ている。
高音域の音の出方がホーンタイプの音でチタン系の音に似ているのだろう。買ってよかった、夏の暑い時期は涼しい部屋へ移動するので、解像度が高く、立上り立下りが速く、音像定位が優れていて、低音も十分に出て鮮明で音楽も愉しいです。
【装着感】
ヘッドバンドやイヤーパッドなど、見た目の完成度が高くて気持ちよく、高級感があって持っている心地良さを与えてくれる。はめ心地は若干強めだけども、数時間の装着で違和感はでないが、眼鏡をしたままだとちょっときつくなるので、眼鏡をヘッドフォンの上へかけて聴いている。セルタイプの眼鏡だから、鞘の細いタイプなら良いかもしれない。
【ケーブルの取り回し】
純正のケーブルは柔らかくて取り回しが楽で、ケーブルが服などにこすれてもノイズは無く使い勝手は良いです。
また、3.5mmステレオミニプラグに6.3mm標準ジャックの変換ジャックが付いていて、しかもねじ止めになっているところが気が利いている。これも問題なく使えて便利です。
ヘッドフォンとの接続はミニXLRのコネクターでカチッと嵌り、ゆるみもなく安心感が高く、長さも3mあるのでちょっと離れたところに手が届いてうれしい。なお、カールコードもついていて、こちらは5mまで伸びてくれる。
【ケースの使用感】
艶消しブラックに塗装された樹脂ケースは感触に柔らかみがあってこれも高級感があり、beyerdynamicsのロゴが同じ黒色だけど艶ありでさりげなく入っているところが、品とデザインの良さを感じさせてくれます。
中のインナーもヘッドフォンがぶれずにホールドされて、耐衝撃性もあるように思えます。別のパッドも収納されてコンパクトに収まってます。