砂漠を読んでみた  ル・クレジオ 著  望月芳郎 訳

  砂漠に生まれ育った二人の少年少女の眼から見た、砂漠に生きる人々のドキュメンタリーのように描かれている。物語の展開や内面的な思考がメインではない中で生きている空気の雰囲気が漂い、目の前に映像が流れているかのように文章に曳かれる。いわゆる文間を味わう妙味です。

 二人の少年少女はストーリーテイラーでもあり、主人公でもあるけれど、もう片側の主人公は二人の老人の生であり死であると思う。そして二人につながりはないけれども、青い民の末裔としての神話が支えているように思える。

エマーソン、レイク & パーマー(ELP)を聴く

 展覧会の絵

 ELPで最初に聴いたのがこのアルバム。もの凄い衝撃を受けたのとクラシックには全く無知だったのでカミさんに聞かせたら、ムソルグスキーの曲だと教えられて唖然としたのを覚えている。

 

レコードプレーヤーのターンテーブルシートを作ってみる

  ターンテーブルシートではコルクやフェルトやカーボンやら、いろいろな素材があって効能が謳われていて悩ましい。使った中ではパイオニアのJP-501が一番しっくりとくるので2台目のターンテーブルにも使おうと思のだが、結構な高値になってしまって指をくわえている始末。

 ターンテーブルによって音が変わるように聴こえたことはないのだけど、静電気の発生具合とか、レコードの密着具合とかが違うのは確かです。オーディオテクニカのアルミ製で中心がくぼんでいて、スタビライザーで密着するタイプはレコードの反りも矯正されていいのですが、勾配のあるところを針がなぞるのでなんとなくもやっとする気が起きる。

 付属のシートはゴム製なのだけど、ツルツルしていてレコードがスリップするような気がする。そこで、シリコン製のシートを敷いてみてはと思いつき、ダイソーで調べてみると、あったあったありました。キッチン用のシリコンマット、薄さ1㎜で300㎜×300㎜の大きさでちょうどイイ、しかも100円。



パイの物語を読んでみた  ヤン・マーテル 著  唐沢 則幸 訳

  トラと太平洋を漂流した物語。襲われずに生活したのだから、動物との共生の涙する物語かと思いきや、人の生きる根源の匂いがただようような気のする本です。でも沈没した船がツシマ丸という日本の貨物船っていうのがどうにも釈然としない。

 しかも、トーキョーをさかしまにしてみれば、動物が土砂降りに降ってくると書いてあり、こともあろうにオオカミまで入ってる。確かにとんでもないペットが逃げ出して大騒ぎしているし、下水道にはアナコンダや希少動物が居ると言われている。そうやっぱり野生動物なんだと本は教えてくれる。