オスカー・ワオの短く凄まじい人生を読んでみた  ジュノ・ディアス 著 都甲幸治・久保尚美 訳

  米国生まれて育ったドミニカ人、オスカーとその家族の物語。ロールプレイングゲームとSF小説のオタクと超肥満の人生について。


 オスカーの家族の話を通じてドミニカの独裁政治がいかにイカれた世界だったかを語っている。それもラテンのノリノリなラッパーのような語り口が次から次へとリズミカルに流れ、やたらに注釈が多くてしかも長い。訳注の多いことで思い出したのが攻殻機動隊の漫画だ、でも残念なことに攻殻機動隊は出てこなくてAKIRAが頻繁に登場する。たしかにAKIRAは面白い、でもそれだったら攻殻機動隊だって面白いのだけど出てこないのはなぜだろう。作者が同じ士郎正宗のアップルシードはちょっとだけ触れられているんだけどね…
 それにしてもオスカーは優しい、あれだけ暴力な街にいて彼は無抵抗だった。死ぬ気になれば何でもできるとは言うけれど、いかがなものかなぁと独りごちてしまう…