ヘッドフォンアンプ回路の自作追加と電源回路変更

  バッファLME49600とオペアンプを組合せたアンプを使ったのですが、BayerDynamicsのDT1990proとの相性は今一で電源の作り方が悪かったのか、電流がサチルようです。供給電源はDC15vで±15vを作るのにDCDCコンバーターを使い、±100mAもあれば十分だと思ったのですが...


 そこで±15vは諦めて、電解コンデンサを並べてぺるけ式の±7.5vを作り、載せ替えてみました。ダイナミックレンジの大きいオーケストラで盛りがるコーダ部分も問題なく再現できて良かったのですが、何かしらさらっとした雰囲気が気になります。

 オペアンプはOPA2604、サーボ側に4558DDを使ってあります。量感のある低音OPA2604らしくて良く、オペアンプらしいカチッとした音でいいことはいいのですが、音の分離具合とか艶っぽさ具合とかが少し不足しているような気がします。ぺるけ式差動回路ヘッドフォンアンプver4と切り返え式のアンプにしたため、そっちに引きつられてそう思うのかも知れません。

              上の写真の右側がDCDCコンバーターを使用した電源部
     左側はLME49600バッファのヘッドホンアンプ基板


     電解コンデンサで±電源を分けた電源部

 せっかく電源部を作り直したので、オペアンプ部も作ろうと思いオペアンプ+ダイヤモンドバッファ式の回路を見よう見まねで考えました。トランジスタは2sa1015GR、2sc1815BL、2n5401、2n5551の組み合わせです。コンプリ部分のグレードがGRとBLで違いますが、手元にあるもの優先ということと、詳しい理論を理解できないので、作って実測して音を聴いてみるしかないです。


 72*48の基板を見ると小さいなぁと思いつつ、配置図に沿って部品を差し込んでみます。とりあえず、収まりそうで良かったです。部品の脚が長いのでつなぎ合わせてしまうのですが、無精な性格を後で後悔します。


 部品を一つずつ付けながらテスターで導通や抵抗値を確認して進めた筈なのに、なぜか電圧が±7vに達しません。配線がこんがらがっていますので、裸線同士が触れていたり、込み入った部分のはんだが渡っていたりと問題点を探すのに苦労します。なんだかとっても嫌な予感がします。トランジスタの予備はあると言い聞かせながら再チェックです。それでも、電源部分にテスターを当てると導通する時があり変です。

 トランジスタの脚の配置って品番で違うので、配置図を書いていたのに間違えてました。5401-B、5551-Bは1番からEBC(秋月電子のデータシートは配線が2種類あって紛らわしい)、1015、1815はECBです。これを何故か全てEBCだと思って配線してました。

 無事に電圧も出たので、最悪壊れてもと思い複数ある安価なオペアンプ4558DDを付けてみます。出力部分の電圧も0vで問題ないようなので、DACと接続してラズパイを起動します。

 恐る恐るボリュームを上げてみます。ダイアナ・パントンの綺麗な歌声が聴こえてきます。あー良かった、どこも壊れていないようです。

 一安心したところでいろいろ聴いてみました。なかなかいい音です。苦労した分だけ自己催眠がかかっているのかもしれませんが、JVCのFW01が綺麗になっています。


 DACはiFi micro iCAN2、DSD256のシューベルト5重奏を聴きます。FW01でここまで綺麗に音が分離してステレオ感が出て、しかも音の陰影がついて楽器の重なりで奥行き感が出ているのが気に入りました。ヴァイオリンの高音域はカチッとして端正な音で、チェロの低音域もよく張り出して若干膨らみがあるものの艶もあっていいです。4558DDもいい音ですね、艶の部分はおそらく5401、5551のおかげなのでしょうか。ですが、他のオペアンプでは発振しました。

 次にDT1990proDSD256のイヴァン・フィッシャー指揮ブラームス3番を聴く。これはチャンネル・クラシックレーベルからでているのですが、9月末で直販を廃止してNativeDSD Musicへ移行することになり、なんと25%引きになったものだから買ってしまった。ブラームスは曲の作りとオーケストラの配置で左に音が固まりやすいのですが、分離と定位の良さが出て左右に音が拡がります。また、コーダの部分でも十分に瞬発力があってついてきます。利得の設定が2倍だったので、ちょっと不足かと思ってましたが、12時のボリュームでかなりの音量で3時まで回すと耳がぽわーんとします。

 気に入ってPCM192kHzのクッキン聴くと、マイルスの消音器をつけたトランペットが何故か甲高い音になり、マイファニーヴァレンタインがちょっと落ち着きません。どうも高音よりの中音が薄いように思えます。

そこで、気分を変えてスティービー・レイヴォーンのテキサス・フロッドを聴くと、彼の太めのギター音がブルージーなんです。音源はDSD64でいい音しておりリマスターの良さが出てます。ダブルトラブルのベースとドラムもご機嫌です。

 DT1990proを鳴らせて良かったですし、想像以上に分離と定位がいいのには驚きました。こういう音を聴いてしまうとmuses01が欲しくなってしまう。