ヘッドフォンアンプのボリューム交換

  自作したヘッドフォンアンプのボリュームは、価格が安くて音質の良いと思われたマルツのオリジナルを使っていたのですが、ギャングエラーが大きくて抵抗をいれて補正してみた。


 随分と良くなったので大きな音でも聞こうとボリュームを回してみたら、なんと3時~4時の間で右側の音がでないのです。それと16Ωのイヤフォンだと音が大きいので絞りたいのですが、7時~8時の間では左の音が小さくなってしまい上手く絞れません。
 写真は配線前のもので右上がボリュームです。

 そこで、安定の高いと言われるアルプスのRK27を買いました。物が届いたので直ぐに左右の抵抗を測ってギャングエラーを調べてみたら、10時、12時、14時、17時とどの位置でもほとんど左右の差異はありませんでした。さすが、評価の高い品番です。


 寸法的には随分と大きくなりますが、高さには余裕があるので無事に交換して嵌りました。これぐらいの大きさだとなんだか安心感も出てきてオーディオらしくなります。

 まずは、左右の音量のチェック、どの位置でもギャングエラーはないようです。微妙な言い方になるのは、オペアンプとディスクリートの2種類を切り替えて使えるようにしてあるのですが、なぜかディスクリートの方は極わずかですが左へよるのです。ディスクリートの基板の電圧を測っても左右で同じなのですが...違いを発見できていません。

 ビクターのウッドイヤフォンHA-FW01で聴くと、音をきっちりと絞れて音も消えずにきれいに鳴ります。音量の調整カーブも程よく申し分ありません。オペアンプの方がソリッドな感じでディスクリートの方は少しウォームな感じとなり、マルツより差異は小さくなったものの双方の特徴がよく出ています。


 BeyerDynamicのヘッドフォンDT1990Proに変えてフルレンジまで徐々に回しても綺麗な音量カーブで気持ちよくガサツキも全くありません。マルツでは艶が載った感じになるのですが、アルプスだと色付きは感じられず、端正な音になります。この辺りは好みの範疇で聴く機材にもよるのだと思いますが、艶が載っていた分だけ音の粒が消えて滲むようなところがあることにアルプスを聴いて違いを感じました。アルプスの方が音の粒の分離がよく、オーケストラの各楽器が分かりやすくなります。

 ボリュームを変えることはないので面白い経験になりました。また、アルプスのRK27が自作品によく使われるのも合点がいきます。