ヤマハA2000アンプのシーリングパネル修理に右往左往

  とても古いアンプのヤマハA2000を愛用して40年になろうとしている。その前面パネルにトーンコントロールなどを隠すシーリングパネルがあって、下部を押すとパネルが回転する仕掛けになっているのですが、なんと回転のステーが破損してしまった。


 ふつうは開けることが少ないからシーリングパネルなのだけど、Tape Outを使って他のアンプにもつないであり、CDやフォノの切り替えをしたり、CDをA2000で聞くときには他のポジションにした方が元信号の電圧が下がらないので、よく開け閉めしてた。

 なんか片側が変だなと思っていたら、左右ともに破損して閉まらなくなってしまった。仕方なくパネルを外すと、樹脂でできたステーの一部がヘロヘロで首の皮一枚でつながっている。このパネルも外しにくくて外すときにより外傷を与えたようだ。

 複雑な形状をしていて、とても作れそうにない。こういう時に3Dプリンタがあるといいのですが、とりあえず瞬間接着剤でつけてみる。折れた個所が平滑な面にならず、凸凹の状態で幅も2*5mmぐらいの断面なために上手くくっつきません。


 つぎにポリプロピレンをくっつけることができる樹脂用接着剤を使いますが、これは全くくっつかないです。どうも樹脂との相性が悪いようです。この接着剤はABSもくっつくのですが、どうも違う材料のようです。


 次は靴底の修理用接着剤です。これは着くのですが、なぜか凝固しきらず、ぐっと押すと口を開き、ねばーっと接着剤が納豆のように糸を引きます。


 実に困った。いろいろと探してみると、紫外線で固まるシートがあります。ちょっとお高いのですが、一番安いのをamazonで購入。5*20mmに切ってステーの上部に張り付けてみた。テープはカチカチになって、よしよしと思ったのですが、ステーを押してみたら、シーソーのように根元の折れた部分がぺこっと剥がれました。確かにテープはカチカチの樹脂になるのですが、粘着部分はテープの粘着力だけでくっつくようで樹脂に固まるときにステート溶着するわけではないようです。


 紫外線ということで次に思いついたのは、100均で売っている装飾用の紫外線硬化レジンです。さっそくダイソーへお買い物、クリアのレジンと紫外線ランプを購入。ランプは300円しました。これは、上手くくっつきますし超早いです。なんですが、接合部は光が当たらないので周囲を盛るのですが、回転軸に当たる部分は非常に薄くなるので強度不足です。装飾品などの力が加わらない部分には最適なのですが...




 仕方なく再度amazonで物色。そこで、紫外線硬化の強力接着剤と樹脂造形剤の二つを購入した。ちょっとタイムセールでお安くなっていましたが、樹脂硬化シートより少し安いぐらいです。でも、二つ買わないと送料無料にならないし、ここまできてどうせならと思い二つとも買いました。

  紫外線硬化接着剤は悲しいことに、このステーの素材と全くあいません。一体このステーの樹脂はなんなのか...


 次に樹脂造形剤です。これは粉と液体に分かれていて、粉の中に液体を混ぜることで化学反応して樹脂になり、割れた面にくっつければ穴も埋まって接着もするという優れものです。付属の針を小さな容器にくっつけて、スポイトのように液体を取り込みます。それを粉の中に入れると粉がまとわりついてダマのようになり、それを針で突き刺して接合部を覆うように積み重ねます。ダマの外側の粉を液体と混ぜるように少しこねるか、さらに液体を垂らした方がいいですし、先に接着面にも液体を垂らしておいた方がくっつきやすいみたいです。型をとって造形する時には、付属のスポイトを使った方が多くの液量を使えて楽だと思います。







 嵌めてみあたら、片側はアンプ本体の支えばねに上手く当たらず少しずり落ちます。この寸法は微妙なようで難しい。もう片側は支柱の回転軸の隙間に対して、造形剤を盛りすぎたようでパネルが浮いてしまいます。そこでヤスリがけをしようと思い外した時にステーが破損しました。もうとてもガッカリ、落ち込んでしまいました。

 折れたステーとパネルを両手に持ってじっと見る。造形剤を盛った分だけ接着面積は増えているし、紫外線硬化シートで巻けばいいのではと思い直す。靴底接着剤を塗り、紫外線硬化シート10*30mmでステーを巻いてみる。


 十分に剛性はできたのだけど、ステーの幅が広くなってしまい中に嵌らない。仕方なく二重巻きした部分を剥がす。ピンク色のフィルムは粘着面側のみ剥がして、固まったあとにもう一方のピンク色シートを剥がすのですが、二重巻きの部分はこのピンク色シートが残ったままだったので剥がすことができました。ぐるぐる巻くときは螺旋のようにずらさないといけないようです。一度間違えて日光(紫外線)に当てる前に両側のピンク色シートを剥がしたのですが、この時は硬化しませんでした。

 とりあえず嵌め込んでみましたが、やっぱり回転軸のところの隙間が厳しくて僅かにうきますし、時間とともにパネルが回転してきます。仕方がないのでシーリングパネルの隅に薄い樹脂板を挟んで止めてあります。


 こんなに苦労したのに...です。また気が向いたら、造形剤で型取りでもしようかと思います。失敗ですがメモしておきます。