脳は世界をどう見ているのか:知能の謎を解く「1000の脳」理論

 ジェフ・ホーキンス 著 太田直子 訳

 脳はどのようにして知能を持つのかを平易に解説した本で3部構成になっており、第1部が知能の構成について、第2部がAIと脳について、第3部が人の未来についてとなっている。

 現在のAIとの違いについて分かりやすい説明であり、知能と言うものの在り方を考えさせられる。機械が知能を持つリスクに対して楽観的であるものの、所詮は人が作る怖さが最大のリスクのようだ。直ぐにターミネーターを思い出してしまうのだけど、あれもきっと誰かのコピーもしくは世界征服を抱いた者が不死の力を得たのかも知れない。

 『ネットワークにダイブする。ネットは広大だ。』草薙素子の科白も思い出す。電脳との融合とネットへ移住に関して、真面目に問題点を論じているところは、SFの世界ではなく、現実としてありえる時代に入ろうとしているのだと思った。

『ホモ・デウス』ユヴァル・ノア・ハラリ著にも不死への話があり、ホモ・デウスへ進化するようだけど、電脳との融合はまだ随分と先になりそう。

 でも、ネットワークとのつながりは既にスマホを介して実現しているのだから、通信チップを身体に埋め込む未来は近そうに思える。

 知能も脳の座標系にあるとの事だけど、その座標系のイメージがわかない。記憶については座標系のイメージは、CDやHDなども座標=所番地を使って保存しているので理解しやすいけど、知能って記憶とは違うような気がする。確かに考えたことは記憶されるけど、考えそのものは伝達経路の組み換えのように想えるのだけど。

 ところで、死なないと突然変異はできないものなのかしら?DNAはそもそもどうやって書き換わってゆくのだろう。なぞは尽きません。