イヴァン・フィッシャー マーラー交響曲1番 DSD256を聴く

  CHANNEL CLASSICSというクラシックレーベルがBlack Fridayということで、ダウンロードの楽曲を15%引きにしているのを見て買ってしまった。30周年記念のオムニバスをPCM44.1kHzに限って無料だったので以前ダウンロードして聴いたところ、実に録音がよいことを知り買いたかったのだが、ちょっとお高いので眺めていた。

 でもやっとCHANNEL CLASSICS でDSD256を買えたのだけど、近頃の円安でなんともはやです。22.1ユーロで約2,850円もしたけど、国内で買うよりはお得です。問題は買う楽曲でDSD256での再生ではオーケストラの音が良いと思うのですが、Iván Fischer & Budapest Festival Orchestraのシリーズはマーラーかブラームスで、すでにレコードがあるので迷ったのですが、やっぱりマーラーの1番なら好きなのでこれにしました。


 買ったのは良いのですが、ダウンロードに時間がかかった。ZIP形式で6.3Gbyte、自働で展開されて9.8Gbyteもあった。CDで150Mbyteぐらいだから、65枚分にたった1曲で相当する。物量の割に音質が向上するかというと対数になってしまい、逆Jカーブなのでマニアックな世界だと思う。

 さてとやっと音楽にたどり着いた。最初に出てきた音は静かに忍び寄る音で、出だしが静かなのは知っているけど、こんなに弱音で低音がうねっている。あんまり柔らかいのでバーンスタインの音との違いにちょっと拍子抜けしたけど、メロディが進むにつれて驚きの連続。DSD256ってこんなに低音の表情が豊かで艶っぽいものなかとコントラバスを弾く弓が緩やかに落ち着き払って揺れている。この差は録音の違いなのだと思う。同じ優秀なDSD256の音源でもテープからリマスターしたものとは違い、最初からデジタル録音で環境も技術も優れていると奏でられる音色は段違いでした。


 楽器の席が見えると言っても過言ではないぐらい、一音一音が出てきてしかも音が重なってハーモニーなのだけど、各々の位置は分る。イヴァン・フィッシャーの焦らず雄大な一歩一歩が感じられる演奏で、バーンスタインのような峻烈さはないけれど、ブダペスト祝祭管弦楽団の奏でるメロディとハーモニーに全てが包み込まれてしまう。

 演奏も素晴らしいし、録音も素晴らしく、このような曲を聴いてDSD256の良さが出るように思える。