いやぁ実にありがたい本です。僕は音程が取れないし分からないし、五線譜も読めないときているので始末に悪い。そんな自分にとって論理的な理解ができかつ音楽の教養も身に着く本でした。
ピタゴラス音階から説明が始まり、音階と周波数の関係を現わしてくれて、音程の単位セントの話になる。音程の単位と言えば1度2度と呼ばれるものしか知らず、これが難解すぎて小学生時代にさっぱり分からなくなった。セントで教えてくれればもうちょっとマシだったように思える。
ピアノの白鍵が1度だけど、ずっと間のことだと思ったら同じ音程が1度だということすら間違っていた。そこへ同じ白鍵が並んでいると短2度なんて言われてもうパニックです。数学的に考えたらそんな呼び方をしないと思う。その点ピタゴラスは数学者なので、そんな呼称は使っていない。(もっともその当時にピアノはなかったけど)この度数の考えを小学校の教材に使うこと自体がおかしいと思う。半音を1度にすればいいことだと思う。
そのため、移動ドの時に意味がわからんかった。なんだどれもドなんじゃないかと思ったので、ハ長調やイ短調の意味もわからんかった。なぜハやイなんだと難解さは増すばかり。英語だとCメジャー、Aマイナーなわけで、実はこれでイロハが分ったというお粗末な話です。
平均律の話と転調の関係も分かりやすかったし、音楽の作曲と音階の歴史のつながりも丁寧に説明されていて、和音の組合せにおいてスティーブ・バイというロックギタリストまで聴かれているのには少々驚きです。最近のコンピュータを使えば音律を自在に変更できるので新しい音が出てくるのを愉しみにしています。