著者の岡野さんは東大の原子力工学を専攻されて、天文写真のデジタル技術において露出時間大幅に短縮する方法を開発した人だそうです。デジタル技術で露出ならば微積分の世界ですから、CDやハイレゾなどの理論解説は間違いなさそうです。実際に読んでみても非常に解りやすく理論的な説明でありがたいです。なにせ、オーディオは感性的な部分が多いのですが、感覚的な好みの部分と理論的な部分を的確に区別して話して頂けます。理論的に正しいことと好きか嫌いは別問題ですから、その通りだと思います。大きく4つのテーマに分かれていて、アース設置、CD・SACD&ハイレゾ、部屋の音響修正、ケーブルの接続となっている。
部屋の音響については聴く場所によって落ち込む周波数が違うようで、立ったり座ったり、前へ後ろへと動いてみるとかなり違うことを実感します。まぁ、スピーカーからの角度によっても変わるので、設置方法でも変わります。スピーカーを置く位置も限られるので、ソースによって微妙に位置を変えて聴くことにしています。McIntoshのC40の5バンドイコライザーが重宝していたのを思い出します。REWという周波数測定ソフトがあって、部屋のシミュレーションができる機能もあり、無料なので試してみるといいです。『REW 使い方』で検索すると詳しいサイトが出ます。それから最後のケーブル接続は、デジタル機器のインピーダンスには気を使うようにとの内容です。
薄い本なのですぐに読めてためになるのですが、価格がそこそこするので図書館で借りるのがいいです。意外と図書館にあるもんですね。
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