最後まで残っていた旧いRCAケーブルを交換する。カセットデッキではあまり音楽を聴かないので最後になったのだけど、一応PhillipsのCD LHH300の純正RCAケーブルに付け替えていた。これをモガミ2534へ交換した。BELDEN88760にしようかと思ったけど、ラックの奥行きがないのでRCAコネクタの根元が折れる状態になる。そこで柔らかいモガミ2534にしたのです。音色は高域が伸びて綺麗になり、メタルテープなんかを聴くとテープとは思えないほどの音になる。Zシリーズの中では末っ子ですが、録音機能は同じでテープごとにキャリブレーションをデジタルスケールで確認しながら最適化できる優れものです。上級機は駆動モータがキャプスタンと別々になりワウフラッターがより高精度になっています。カタログではリールモーターが記載されていますが、これは駆動用ではなく巻き戻しを兼ねたバックテンション用です。ちなみにZ-5000のワウフラッターは0.025%(WRMS)で上位機種は0.019%です。ちなみにナカミチZX-7が0.04%ですから優秀だと思います。この当時同様な価格帯にSONY TC-K777ESがあり、走行性能では777ESの方が優れていてキャリブレーション調整もできたので相当悩んだ覚えがあります。ノイズリダクションにdbxがZ-5000には付いていたのでこっちを買ったのですが、結局使わなかったです。それは、カーステレオでは再生できなかったからです。でも貧乏人の時代ですので、レコードが買えずレンタルで借りてはせっせとテープに録音したものです。当時のテープでコストパフォーマンスのよかったのはTDKのSAだと思います。
さて、RCAケーブルを交換して音ならしをしていたら、なぜか走行側のリールが駆動せず止まってしまいます。過去に2回の修理をしていて、1回目は液晶パネルと駆動部のゴム交換、2回目は駆動のゴム交換のみで2年ほど前に修理してもらったのですから、どうしたものかと思いつつ、これがないとテープは全て遺物になってしまう。暑さのせいかとも思いながら翌日の休みに開けて見ることにした。
翌朝にラックから取り出し、電源を入れ直して試運転するとちゃんと走行したので、一安心だけど折角なので蓋を開けて見た。基板の大きさと実装部品の多さに驚き、ハーネスが所狭しと回っていて駆動部分を覆っている。試しに走行させてみるとメカ制御用のモーターがカシャカシャと動き、キャプスタンモーターの動きも見える。メカ制御用のモーターとメカの歯車には2㎜角のゴムで繋いでいて、なんともひ弱そうに見える。しかも、巻戻し兼テンションモーターの軸を跨いでいる。これを交換しようと思ったら、機構の一部をばらさないといけない。交換部品があるのに面倒な構成になっている。輪ゴムで補強しようかと思ったけど更にばらすのは面倒なので糸で繋いだけど見事に失敗。メカ制御のために回転が速くて駆動時のトルクで糸が緩んで外れてしまう。ターンテーブルみたいにゆっくりと同じ回転を続ける場合はいいようだけど、クイックに短く反転もするようだとゴムように伸びないと無理なようです。仕方なくラバープロテクトのスプレーを少しだけ塗って長持ちしてくれることを期待することにした。
残念ながら一ヶ月と持ちこたえられませんでした。なので、とりあえずamazonで色々なサイズの入った家電修理用のゴムを買いました。物が届いたのでカセットデッキのカバーを開けて動作確認をしたところ、ゴム部分のプーリーが動いてカムが回っています。なのに駆動モーターが動作しないようで、カムのレバーなど押したりしたのですが動作せず、早送りのボタンを連続押ししてムリに動作を繰り返してみたら、なんと動いてしまった。どこかの位置センサーが入らなかったようでゴムの劣化とは違うようです。これからも起きそうな感じで不安ですが、とりあえず小まめに動かそうと思います。結局、ゴムの封を切ることもなく終わってしまった。
追記:
3年後にまたモーターが回らなくなった。キャプスタンモーターは回っているし、カムも動作している。どうもリール用のモーターの接点不良らしい。リールモーターのギヤが上から見えるので、早回しボタンを押すと同時にギヤをつついてみたらモーターが回り出した。モーターのブラシとローターの接点の当たり方のようです。
いろいろと触っているうちにカムのポジションが狂ってしまい、回りすぎてロックされてしまい直すのに苦労した。カムのポジション制御はエンコーダーかと思ったら、なんとボリュームだった。よく考えてある、発売当時では数値制御は高価なのでしょう。
そこで有難いことにサービスマニュアルを見つけたのでリンクを貼っておきます。