オペアンプの2604と2SK2145-BLがあるのでヘッドフォンアンプを作ってみた。以前にダイヤモンドバッファの回路で作成したのだけど、4558DXは上手く鳴るのにOPA2604は残念なことに発震して鳴らなかった。
そこで今回は差動回路のぺるけ式を流用して作ることにした。オペアンプも差動回路なので相性がいいのではないかと勝手に思い込む。1段目を2SK2145-BLを使い、2段目にオペアンプを入れてそのまま Outputにすればオペアンプの色合いもしっかり出るだろうと思う。
OPA2604は随分以前に生産中止されて、2回路の名器なので買っておいたものだ。でも最近でも売っているし、OPA627も出回っているので復刻されたのしょうか?OPA627は欲しいなとは思うもののMuses03を使っているので持っていない。ちなみにMuses03はDIPタイプなので貴重品、もうお目にかかれない。
2SK2145は1チップのなかに音質が良いとされる特性のそろった2SK117が2回路組み込まれている優れものです。余分に買った余りがあるのでそれを使ったのですが、なんと音が出ません。マルチファンクションテスターで調べてみると1回路分がdamage?と表示されてしまいます。しかもご丁寧に左右共にです。とても小さいのでDIP化基板に半田付けした時にブリッジしてしまい、それを除去した時に熱量がかかりすぎたみたいです。ちょっとショックでした、意外に脆い。
仕方なく秋月電子で買ったのですが、なんと在庫限りでしかも残りわずかと書かれている。ならば複数買っておこうとクリックしたら、お一人様1パックのみの制限がかかっていました。結構人気があるようです。
次の失敗は許されないので、先に基板状にはんだを載せてピンセットでチップをつまみ、脚の部分を個別にハンダゴテを当てました。本当に僅かなはんだなので心配でしたが、チップが目茶苦茶軽いので十分なようです。
音質ですが、なかなか優れています。はじめは4558DXで音出しの確認を行うと、引き締まったタイトでありながらも味わいのある音がでました。ヘッドフォンはATH-ESW9LTDで聞きましたので嫌味のない音にはなりやすいのですが、マデリン・ペルーのちょっと舌足らずな甘い歌声が心地よいです。
さて次にOPA2604に変えてみます。やはり評判通り低域に厚さがましてベースの音がふくよかになりました。全体的に低い方へ寄るせいなのか高域が印象に残ります。わりとドンシャリな雰囲気になるですが、安定感が増したように感じられます。
オペアンプの特性がきちんと出て、しかも音の艶もプラスされるのは2SK117の2回路版である2SK2145のおかげなのかもしれません。電源は両電源の7Vですが、オペアンプの駆動に物足りなさは感じません。