ダイソーで買った部材でAC-400Cの防振対策

 ターンテーブルに伝わる振動については、重量のあるラックに載っていて2台のアンプもやたら重たいのでずっと気にしていなかった。安普請な家の2階のフロアが薄くて響くことはわかっているので、ターンテーブルよりスピーカーの台座の方が気になっていた。でも、QL-A75にオーディオクラフトのトーンアームAC-400Cを付けてレコードを聴いているときに、ドシドシと歩いたら音飛びとまではいかないけど僅かに音が上ずるのだ。
 しかも、フロアのある場所の時にだけふら付く。隣のQL-Y7を含めてジンバルサポートのトーンアームではビビらない、それだけやじろべえ方式の1点支持しているAC-400Cが敏感なんだと思う。では音の違いもあるだろうとなるのだけど、カートリッジやフォノイコライザなど同じ接続でアームを切り替えて聴いたことがないので良くわからない。
 QL-A75はストーレートアームなのでカートリッジを付け替えるのが面倒だ。カートリッジの性能を引き出そうと思うと軽い針圧の方が難しいと思う。これに軽いアームで組合わせるとより難しくなるようだ。針は振動して音を拾うことを考えるとレコードが平面でアームも水平、針だけが振動するのが理想だろうけどそうはいかない。
 アームはバランスをとっているのでアーム自体の重さは関係ないように見えるけど、軸に掛かる自重は違うし共振する振動数も変わる。軽いストレートアームにピカリングのXUV4500Qをブラシ付きでレコード聴くとサ行が上ずってきつくなる。いわゆるヒステリックな感じになるのだ。これに困ってブラシを外しアルミ製のシェルにつけてAC-400Cで聴いてみると直ってしまった。


 さて問題の足音の振動対策なのだが、方策がいろいろありすぎる。なので、できる限り安価にできることを考えてみた。最初に考えたのはコーリアンボードで、パンのコネ板としても売っているから安価なものもある。でも、商品説明にデュポン社製と明記してある商品が無く、厚みも10㎜ぐらいまでが一般的なため躊躇する。
 つぎは防振ゴムなのだが、厚みがあって弾力性の高いものはフラフラしそうで気持ちが悪い。良さそうなのはDJが使っているインシュレーターだけど、高価すぎて対象にならない。それにスクラッチするような使い方はしない。
 1㎜ぐらいの厚みのゴムマットをスピーカーの下に引くとスタンドとの共振が消えて音の立上がりが綺麗になることはあるけれど、ターンテーブルが出す振動を抑えるのではなく、伝わる方を抑えたいのだし、ドスンドスンという床のうねりだから振動の大きさも違う。
 考えてみれば床の揺れなのだから耐震ゴムでもいいのではないかと考えてダイソーに行ってみた。家電製品を地震で倒れるのを防ぐ商品がある。大きさは50×50×3㎜と厚みも薄く、試しに買ってみた。貼ってみると具合は良いのだが、ターンテーブルのインシュレーターくっついてしまい位置調整がままならないし、インシュレーターの方が僅かに大きくはみだしてしまう。そこで、更に振動を吸収して台座になりそうなコルクのコースターを同じくダイソーで買ってきた。耐震ゴムの上にコルクのコースターを置いてターンテーブルを載せれば位置調整も楽に決まる。
 ドスンドスンと動いた時の音の歪は解消できた。音質はどうかと言うと変わりはないようだ。しかし、なぜかセンターに置いたテーブルにグラスをゴツンと置くと僅かに上ずる。どうも違う振動数の対策が要るようだ。それにしても100円で地震対策のできる商品をよく作ったものだ。


 ところが、違う振動対策の問題ではなかった。歩いても特定の場所だとノイズが出る。しかも、左側のスピーカーだけから出るのだ。オペアンプで製作したフォノイコライザの前を歩くとおかしいので、器材のフレームをコツコツと人差し指で叩いてみたらノイズが出る。
 うーん、部品を無理やり付けているので配線のコネクタが緩むのかもしれないと思い天板を開け、左チャンネルの基板を叩くとノイズが出たので間違いない。
 次に部品ごとに優しくラジオペンチで叩くとオイルコンデンサが怪しい、裏側をよく見てみると半田がのっていないようだ。どうも、ポリエステルコンデンサの容量を間違えて付け直した時に誤って半田を吸い取ってしまったようだ。よくもまぁこれで音が出ていたもんだ。半田を直すと叩いてもノイズが出なくなった。もっと半田付けが上手くなったら音も良くなるんだろう。