TANNOY Precision6.2LE スピーカーを新調してみた

 久しぶりにヤマハのA2000という古いアンプに電源を入れてみた。音が出るかとても心配でドキドキしているとリレーのカチッという音が聞こえてまずは一安心、レコードをターンテーブルに載せて電源を投入し針先が降りたところを確認してボリュームを上げてみると少し重そうにBBCモニターから音楽が聴こえた。

 それに気を良くして、この狭い部屋に新たなスピーカーを入れるにはどうしたものかと無い知恵を絞りながら採寸をしてみる。カミさんの鏡台を引っ越せばゆとりがでるのだが一蹴されてしまった。残りの幅を考えると、トールボーイで6インチなら入りそうなのだが最近のスピーカーをよく知らない。webで口コミや寸評を読みyoutubeで視聴する日々が続く、いろいろなスピーカーの音が聴けて本当にありがたかく、yao si tinさんの歌声も気に入ってしまった。B&Wはとても気に入ったのだけど高いし、友人が2wayのダイヤモンドを持っていて1年に一回は聴くことになるのであきらめ、モニターオーディオのSilver500かGold200かなと思い視聴に出かけた。置いてあるのはGold、Silverともに200でヤマハのアンプで聴かせていただいた。組合せの問題だと思うけど低音が出ないし躍動感も無く細く感じてしまった。これを聴いてA2000は低音も充実していて高音はヤマハらしい凛とした音なので古いけど良いアンプなんだと自己擁護してしまった。しかしスピーカー選びは降り出しに戻るのだけど英国と言えば老舗のタンノイがある。でもそれだとハーベスが欲しくなってしまうし、結局BBCモニター系だしと悩むうちにyoutubeでPrecision6.2の音を聴いてタンノイらしからぬタンノイの音が気に入ってしまった。ちょっと古くて生産中止品で視聴するわけにはいかないので悩んだのだけどLEという限定生産品が安く出ていたので思い切って買うことにした。世界で182セットの限定なのに残るというぐらいなので、早々に生産を打ち切ってRevolutionXTに切り替えたのだろう。僕の好みとしてはXTよりPrecisionの方が好ましい。


 写真はスピーカーが届いた時に嬉しかったので記念撮影したものだ。まず聴いて驚いたのは定位がとても良くて、同軸スピーカーは定位が良いと書いてあったけど新鮮な驚きだった。バイワイヤリング方式なのでそのように接続してある。よく奥行きがある音像の記事があるけど、それは僕の機材では無理なようだ。高校生のころのオーディオが4chだったから立体感のある音はその印象が強くて、友人宅の805Dを聴いても奥行き感がわからない。それでもPrecision6.2LEの音像は楽しい。

追記:
 このスピーカーを使って早2年が経つのだけど、素晴らしいスピーカーで飽きがきていない。YAMAHA A2000はコンデンサを入れ替えて随分と迫力のある音に戻り、今はSonus Faber Minima FM2を担当している。では、Precision6.2LEを鳴らしているアンプはと言うとAccuphase E-470に代わった。
 そのためか、より現代的なHi Resな音になり緻密で迫力のある音も造作なく出てくる。わが家のとっては高いプリメインアンプだけど、感心するのは大きな音でも小さな音でも音が潰れずに出てくる。小さい音でオーケストラを聴くと紛れる楽器の音があるのだけど、しっかり響いているのがわかる。これはアンプも凄いのだけど、スピーカーも凄いのだと思う。
 因みにアンプの音質はプリ部の影響が強くて、A2000と比べるとE-470の方がソリッド感が強く楽器の一音一音が明晰になる傾向で、E-470のPreOutからA2000のPowerInに繋いで聴くと低音が緩くなるものの似た傾向になります。
 アンプが代わって定位が更に良くなり、ジャズ女性ヴォーカルは口の開きが見えるようなぐらいピンポイントになり、オーケストラの楽器の一も良くわかります。これは、同軸スピーカーのなせる技と思える。低音も出方が控えめなのは6インチのせいだと思っていましたが、経年とセッティングにより随分と出るようになりました。部屋が狭いのでなかなか壁からの距離がとれず、スピーカーの間にラックがぴったりと着いていたのですが、スピーカーを半分ぐらい前に出しました。これで奥の壁と600㎜となり、100㎜ほど以前より離れた状態です。できたら、スピーカーの間に何もなくなった方がいいように思うのですが。。。
 ピアノの音はすこぶる良くて音の震え方なども凄くいいですし、消え方も抜群です。現代的な音でソリッド感も強いのですが、その中に英国のウェット感を感じるのは印象の刷り込みによるのでしょうか、でもやっぱりRogersのLS3/5Aと同じ香りがします。