細い小道にある庭に紅い花が咲いている。もう3月も終わろうとしているのにどうみても梅の花のようだ。この時期は桃の小さなピンクの花を見ながら、もう桜もさくなぁなどと思っているのにやっぱり紅梅なのだ。それにしても花びらが大きいようにも思えて梅なんだろうかと疑っている。疑問がよぎると花の綺麗さに酔えないのがいけない。でもやっぱり紅梅ですよね。
梅の花を見れば尾形光琳の紅白梅図屏風を思い出すし、織田信長の家紋も思い出す。そして何と言っても梅干し、僕は日の丸弁当に玉子焼きに赤いウィンナーなんてこともよくあったし、おにぎりの具にある梅干しは本当に旨い。小っちゃいころは梅干しの種を目を細めて綺麗にしてた。大人になってからは上品なところで梅の花という湯葉と豆腐料理のお店を思い出す。あとは如月、睦月は松で如月が梅、この梅には鶯がとまっている。そして卯月の桜で3枚の紅い短冊がそろえば五文になる。それより紅い花が満開だ。