ハッチとマーロウ 青山七恵 著

 ハッチとマーロウなる本を読みました。1月から12月まで12話あり、なぜか8月と11月はない、でも12話あるのだ。挿絵の二人はお話にでてくる通りの双子の女の子で12歳の誕生日から大人になっちゃう可愛い二人なのだ。1話がだいたい25ページ前後で書いてあるから、毎日夕食が終わってから読むには手頃なページ数で設計されている。毎日、清涼飲料水のように気持ちが爽やかになり、今日1日の疲れや嫌な出来事が嘘のように消えて晴れやかなきもちになれる。でもなんだか主人公はお母さんのような気もしますが、こんな双子が居てくれたら毎日がきゃっきゃして楽しそう。

 名前がハッチとマーロウ、すぐに思い出すのはミツバチのみなしごハッチという昔のアニメ、それからハードボイルド小説の探偵マーロウ。そんな想像してたら本の中に同じ解釈がしてあった。うーん、マーロウはダンディな男であって可愛い娘ではないのになんでマーロウなのかは解説がない、ほんとうは女の子と男の子の双子だったりして。文体はライトノベルのようにすらすらと読めるし、ちょっと読み間違えても予定通りに話は進むから心配はいらない。ほがらかな顔をしてふわふわしながら読めるところがまた良いのだ。読んでるうちに若草物語を思い出した、あちらは3人姉妹でお母さんはしっかりしてたよね。若草物語は草原で、こちらは長野の安曇野になってて連なる山々が冬はとても綺麗なところだ。二人が山菜採りでたらの芽を取りに行ってたーくさん取っているのを読むと、天ぷらにして食べるとメチャ美味しいしことを思い出して食べたくなった。それにしても急に大人になって料理でもなんでもできるようになれると助かるんだわ。