オイルコンデンサは適合する容量の物を買おうとしたら、SPRAGUE、WESTCAP、GUDEMANの3社になった。GUDEMANは軍用で使われていたメーカーのようでどれも’70~’80年代の生産品のようだ。まぁどれもMIL規格のハーメチックで見た目も似ている。信号基板はオイルコンデンサにしたのだけど、出力の手前にあるカップリングコンデンサに迷った。12AU7にテレフンケンを入れても音がゴチャッとしていて分離が悪い。フォノイコライザー部の場合はアキュフェーズE-470のプリ部を通るので音の分解度が高くなっているように思え、全部オイルコンデンサで良いのか分からない。そこで明快で艶のある音だと聞いているGOODALLのフィルムコンデンサを探したけれどなかったので、後継のTRW社の物を何とか入手できた。まぁコンデンサを単独で入れ替えて聞き比べるわけではないので、TRWの効果なのかどうかは分からないけど推定して組合わせを考えるのが楽しみなのだ。どうせ一音一音を聴き分けられるような耳を持っていないので、ひどく無ければ一人で悦に入って良しとする。TRWのフィルムコンデンサを手に取って驚いたのは、0.22μF400V と0.047μF400Vの大きさが同じなのだ。0.22μFの方が通常の大きさなので0.047μFが馬鹿でかいことになる。この二つは基板の上ではなく、側板の内側につけなければならず取付スペースに苦労した。あと、基板部分は外せないので電子部品の脚を繋ぐのだけど前回は非常に苦労したので、ピンソケットのメスコネクターを買い、カシメてから半田付けすることにした。これは非常に良いアイデアで役だった。但し、音質的な助けにはならないと思う。ハイカットやローカットのコンデンサーは使用しないので以前のままである。まぁしかし、空中配線のような半田付けで非常に見栄えが悪いし、振動でコンデンサが揺れると問題が出るのではないかと思うが壊しては元も子もない。あと、電源部のコンデンサ容量を間違えて少し大きめを買ってしまい取付をやめたけど今回は交換してみた。
一月以上鳴らしてくると、音にニュアンスが出てきて聴いていて愉しく、テレフンケンの持ち味も良く出て輪郭も綺麗だ。そしてジャズやロックを聴いていると自然と身体が揺れるし、ポール・ロジャースの歌声が目の前にあるかのように響く。海外商品に匹敵する音だと言われた片鱗を垣間見ることができて非常に嬉しい。音の細かい粒立ちはE-470の方が良く見通しも良いけれど、グルーヴ感みたいなものはクリスキットマークⅥカスタムの方が伝わってくる。所謂ノリが良く音楽を聴いていることを想わせてくれる。パワーアンプはE-470のままだけど、プリアンプの違いが分かり各々の特徴がしっかり表現されている。今でも組付け方法を変更して、キットで出せば売れる商品だと思う。【ChriskitMk6custom manual】
ターンテーブル ビクターQL-Y7 修理