薫るモクレン

 日の出が早くなり日中の気温も上がってきて、お中日が近づいてくると白いつぼみが膨らんで今にも咲きそうで、この背の高いモクレンが眼に映える。
 車の免許証をとったころ、あてもなくドライブする事が嬉しくて、山あいの国道を左手でハンドルを握り、窓ガラスを下したドアに右腕をかけて颯爽と峠を下ってくるとどこからかとてもあま~くて高い匂いが漂ってくるんです。そうちょうど春分の頃で、当時は花粉症でもなく外は肌寒さが残っていても車中はポカポカなんです。どんな花の匂いなのかわからなかったのですが、次に同じ道を通った時、山のところどころに白い花が咲き誇ってることに気がつき、あーこれだ、これに違いないと思って母に訊ねました。なにせWebなんて欠片もない時ですから、訊ねるしかないんですね。そしたら「それはモクレンよ、すっごくいい香りがするでしょ。」って笑いながら教えてもらいました。その時からずっと好きな花です。


 つぼみは2月の下旬ごろから大きくなりだして、あと数日したら満開です。暗くなっても甘高い香りが舞い降りてきて、モクレンの白い花が月に光ってたのしい一週間です。