スライド・ギターと言えばオールマン・ブラザーズ・バンド『フィルモア・イースト・ライブ』を聴く

 スライドギターの名手デュアン・オールマンの形見とも言えるライブ盤である。このレコードが出て間もなくオートバイ事故で24歳という若い人生が閉じてしまった。デュアン・オールマンはセッションギタリストとして活躍しており、その中でも有名なアルバムはエリック・クラプトンのいとしのレイラだと思う。なにせ、クラプトンのギターよりデュアンのギターの方が耳に残ってしまうのだから大したものである。

 そのデュアンが弟のグレッグに誘われて活動を始めたバンドがオールマン・ブラザース・バンドであり、一躍名を馳せたアルバムがフィルモア・イースト・ライブである。長い曲が何曲かあり、インプロヴィゼーションによる展開がライブ感を出している。今時こんな長い曲を演奏するようなことはないように思え、時代の変遷を感じる。オリジナルは7曲だったけど、後にマスターテープが発見されてリマスターされたヴァージョンでは曲数が増えているようだ。
 1曲目からスライドギターの唸る痛快なサウンドが心を捉える。音的にはブルースにサザンロックの泥臭さとカントリーの風合いが混じったように聴こえ、アメリカンロックの根のように思える。当時のライブ感がもろに出ていて、今のようなエンタテイナメント性はなく、ひたすら音楽に酔って観客とミュージシャンが相互作用を起こしているのが録音から伝わってくる。