シェ・シバタのとっても造形美的なケーキ

 いつも行くたびに新しい造形美に出会える。しかも満足が響き渡るおいしさ、思わずはぁーよかったとため息を漏らしてくれる。そうは言っても年に4回ほどしか買うチャンスがない。スポンジなケーキはなくてババロアやムースっぽくて、小匙でも小フォークでもこぼれずに適量を繰り出せるのもありがたい。ケーキの一番下にクッキーのような平たい焼き菓子がベースに引いてあり、最後にこれをパリパリ食べるのだけれど、これがまた美味しい。マカデミアナッツの香ばしさが相まって残っていた口のなかの甘さがからんでくる。それに乗っているチョコがすばらしく、苦みは程々にぱぁふぁっとカカオの風味がトルネードしてくる。兎にも角にもあっと言う間になくなっちゃうのだから堪らない。

 嗜好で思考が止まる時間がなんと贅沢なひと時なのか、最近はケーキの数が一つ少なくなるのが僅かに寂しいが、それも成長の灯だと思い慰めている。