3月の中頃になり、しばらく忘れていた暖かい陽射しに連れられてぶらぶらと歩いていると道端の小さな花壇やだだっぴろい空き地に紫色の花が咲いているのが眼に止まる。背丈が低いので見落としがちなのだが、ふと目を降ろしてみると一か所に集まるように夥しく花が連なっているのに気づく。近寄ってみると、リンドウのように小さな鐘が葡萄の房のように密集して花が開いている。
リンドウは高原だし花の連なりが違うので、何だろうと調べてみたら、『ムスカリ』と言うらしい。球根植物とのことだからチューリップと同じだけども、植えっぱなしでも大丈夫らしく、空き地の野原で咲いているのも分る。
今回はGoogleの画像検索を使ったら、違う花が出たので画像を花の部分だけトリミングして再検索したら、なんとドンピシャで出ました。本当に最近のAI技術は優れてますね、そのうちに眼の代わりになりそうです。さて、出てきた英名がgrape hyacinth、なるほどグレープなヒヤシンスとまさに当をえた命名です。日本での呼び名はムスカリ、これは学名からきているようですが、あまりパッとしません。ここはやっぱりgrape hyacinthと呼びましょう。ヒヤシンスは家庭の庭でも鉢に入って見かけることがよくありますが、グレープヒヤシンスを観たことはなく、人生が落ち着いてくると見えてなかったものが見えてくるようです。とっても鮮やかな色です。
野に咲く花を見ているとなんとなく落ち着いてくる。どうしてだろう、遠くに雲雀の声も聞こえ、陽ざしのぬくもりの中にある野原は気持ちが良い。