第二次対戦後の裕福な黒人一家の長男、ミルクマンが自分のルーツを辿り祖先を探す、でも奇妙でどことなく歪んだ物語り。
主人公の名はメイコン・デッドだけれどもミルクマンと呼ばれている。ミルクマンと言う題名の本があった、その人は牛乳配達人というのが名の由来だったけど、牛乳配達人ではなくて北アイルランドの武装人だった。メイコンは甘やかされて育ったボンボンで大きくなっても母親の乳を飲まされていた。
ミルクマンは30歳を過ぎて祖先の足跡を追うために旅に出る。もともと家を出たがっていて、父親の昔話から金塊を探しに旅立ち自我に目覚める。祖先の住んだ町に昔から伝わるこどもの遊びで歌われる歌詞を聴いて自分の祖先であることを理解する。こどもの遊びは日本の『かもめ、かもめ、うしろの正面はだーれ?』にあまりにも似ていることに驚いた。
ミルクマンの祖先はソロモンと呼ばれていて、そのソロモンの歌が子供の遊びに歌われていた。そのソロモンはアフリカから連れてこられた奴隷で大変多くのこどもを残し、ある時にとるぜん空に浮きアフリカへと飛びたってしまう歌だった。他の本でも似た伝説を読んだことがある。
でもいろいろなことが歪んでいるのはひとがずっと歪んでいるからなのだろう。