キャロル・スローンの渋いジャズ・ソングを聴く

 このレコードは1978年の録音ですから、キャロル・スローンが41歳と円熟期に入りかけたころの落ち着いてしっとりした唄声の中にもエネルギー感のある響きが聴こえます。歌声は太くて包み込むような歌い方に安心感を与えられ、ゆっくりと寛いでオンザロックを傾けるひと時が泡沫のように過ぎてゆく。

 スローなテンポをうねるようなリズムでドライブするジャズメンの音はオーディオを唸らせてくれて心地よく、ジミーロウズの伴奏がひかっている。ジミーロウズはカーメンマクレエのライブ録音でも素晴らしい雰囲気を作ってくれている。ジャズの名盤を聴いてクレジットを見てみると名の通った人たちの多いのに驚く。キャロル・スローンの唄声を一度聴くと忘れそうになく、いつまでもささやいてくれる。