スティーブ・ミラー・バンド 鷲の爪

 1976年にリリースされたスティーブミラーバンドの9枚目のアルバムで、最も売れたレコードだったように思う。この翌々年に『ペガサスの祈り』というアルバムも売れて最盛期を迎えた後に活動を一時休止してしまい、再活動してからの楽曲は聴いていない。何回もずっと聴いているレコードで出だしのスペースイントロって言う曲が宇宙空間を想わせる感じがする。フワッと浮いているような曲調がつながったままフライ・ライク・アン・イーグルが始まるので合わせて一曲のように思えるし、キーボードからギターのリフに移り変わる部分なんかも実にいい感じなのです。

 アルバム名のFly like an eagleが邦題になると『鷲の爪』となりイメージが変わって面白い。邦題を付ける人はコピーライターのような才能の持ち主だといつも感心してしまう。たまに原題とまるで違う邦題もあるけど、邦題の方がカッコイイものが多いように思える。

 このアルバムはどの楽曲もメロディアスで心地よくスルッと聴き終わってしまい、新鮮なレタスとトマトを食べた気分にさせてくれる。実によく出来たアルバムで今だに古さを感じさせないと思うのは僕だけだろうか。あと何故かスティーブ・ウィンウッドとごっちゃになる時がある。スティーブという名前ぐらいしか同じじゃないのに不思議なもんです。