花が密集して咲いている百日紅

 街の街路樹に赤くて小さな花が密集して咲いている木がある。近くによって見て見ると、やっぱり百日紅(さるすべり)だと思われる。百日紅は多くみられる木だけど、こんなに赤い花が密集して、花の重さで枝が垂れ下がる百日紅を初めて見た。百日紅は枝がバンバン伸びて散らかり放題になるのだけど、枝を伐採して手入れしてある家が多いのには感心する。かなり面倒だとおもうのだけど、大したもんです。

 百日の紅と書いて「さるすべり」と読むには難しい名だと思う。名は体を表すと言うけどその通りで、この花は7月~9月の三か月間も薄い紅の小さな花が咲きほこるんです。小さな花が咲いては散り、咲いては散るので意外と花びらが散乱しますが、ずっと夏の暑いなか元気に咲き続けるのでがんばろうかなと思わせてくれる。それから、花の蜜を求めてアブや蜂などが飛び交ってくるから賑やかです。夏の西日を避けたい窓側に植えると陽射しを遮ってくれて緩和してくれるし、冬は枯れて葉が落ちるので柔らかな陽射しが溶け込んでくるようだ。

 でも。なんで「さるすべり」なんだろうかと、僕の知っている説では、木の皮がボロボロと剥げ落ちるのでサルが登ろうとすると滑り落ちるのだとか。猿落花なんて名の方が愛嬌があって良さそうだけど、百日紅なんですよね。

 小さな花が断続的に咲いて長いこと楽しめるのはいいんですが、結構散るので木の下は夥しい花びら積もってゆきます。それから、4月ごろから枝がグングン伸びるので、写真のようにこざっぱりしておこうと思うと、剪伐を細目にすることになります。それとカイガラムシが付きやすいので害虫対策もそれなりにやった方がいいかと思います。また、成長すると背の高さが10Mぐらいになり、意外と高い木になるので、猿も木登りするんだと思うけど、野生の猿がいるわけではないので、滑って落ちるところを見たことがない。家の庭に植えるなら西側が良く、陽ざしの強い時期に葉がいっぱいになるので西日を遮ってくれる。