針圧計を買ってみた:レビュー

  レコードを聴くのに針の付いたカートリッジを、ターンテーブルについているS字またはストレートのパイプのトーンアームの先に付けて、適切な荷重を掛けるとレコードの溝にある凹凸を拾って電気信号に変えてくれる。
 それをフォノイコライザーで元の音域に戻し、アンプで増幅してスピーカーから音が出る。考えてみればレコードの小さな溝から、よくもあんなに音域の幅の広い音がでるものだ。
 その入り口がカートリッジの針であり、先端にダイヤモンドの小さなチップが付いている。この針先に荷重を掛けないとボンボンと音飛びがするし、荷重を掛け過ぎるとなんだか重苦しい音になる。


 なのでカートリッジごとに適切な荷重が記載されている。針圧は、だいたい1g ~ 4gほどであることが多いけど、3g以上の重い荷重を標準としているのはOrtofonのSPUシリーズである。オルトフォンはデンマークにあるカートリッジの老舗でデジタル時代の今でもカートリッジを生産・販売している。

 針圧が3g以内であれば、大抵のトーンアームの針圧目盛りにそって調整すれば問題ない。それを超えるとトーンアームのバランスをとっている重りを追加しないと調整できないことが多い。

 純正の目盛付きの重りに変更すれば、適切な針圧を求められるのだが、高いし手に入りにくいので、セットカラーなどで代用するのだけど、この場合は目盛りと針圧がズレる。目盛り付きの重りと一緒に回らずに追加の重りを設定できればいい方だけど、一緒に回るタイプではまるで当てにならない。

 そこで、針圧計が必要になる。家庭にある調理用のデジタル計でもグラム単位ならなんとか測れるのだけど、小数点以下はさっぱり分からない。なので、amazonで安い針圧計を買ってみた。

 安い割にデザインは良い。付属の重りが5gで適切な表示か確認できる。この重り自体が狂っていると意味が無いので、他の秤で計測したらちゃんと5gだった。これでSPUの針圧を適切に測れる。


 針圧計の裏に4か所の脚があり、小さなゴムが貼りつけてあるのだけど、これが取れやすいので注意が必要だ。それ以外は問題無い。

 ビクターQL-Y7という旧いターンテーブルは、針圧を電子制御していてダイヤルを回すだけで調整できる優れものだ。試しに測ってみるときちんとあっている。もう40年以上も使っているのに大したものだ。なんと言ってもレコードをかけている最中に針圧を変えられるのはこのシリーズしかない。