地下鉄道を読んでみた  コルソン・ホワイトヘッド 著  谷崎由依 訳

  アメリカ南北戦争より半世紀前、黒人奴隷の逃亡と自由を助ける組織を描いた物語り。

 黒人奴隷の逃亡を助けるのに空を飛んだり、川辺で光の中に包まれたりする幻想的な話を読んだことはある。でも、この話は蒸気機関車に乗り込むんだ、それも地下を走っている。
 米国の独立宣言、自由平等の戦いの歴史は古く多くの屍で築かれていることはこの物語りを読んでもわかる。主人公は死神のようだけど、死者の語り部なのだろう。