風の影を読んでみた  カルロス・ルイス・サフォン 著  木村裕美 訳

  バルセロナは独裁者フランコの時代、タイトルの本を手にした少年が未知なる出来事の渦に入り込む純愛ロマンスとサスペンスの物語り。


 少年ダニエルが手にした本は風の影でとても気に入り、作家に興味を抱く。すでに絶版になっていて、しかもその本を求めては焼却する謎の人物と遭遇する。そしての彼の人生はその作家の人生と重なり合い、ますます混迷を深めながら似た状況のロマンスの道をゆく。
 愛憎が織りなす謎の展開と戦時下の悲惨や純真な愛を求める構成が複雑に絡んでゆく、とてもよく考ええられた物語り、どこまでもドラマチックな演出はマーラーの1番、巨人のコーダを思い出させてくれる。