ヘッドフォンAKG K812 を聴いてみた

 2014年の発売ですから、すでに12年という超ロングセラーなヘッドフォンです。高額なヘッドフォンですけれど、誉高い名器ですので思い切って買ってみました。


 オフブラックな箱を開けてみると、ヘッドフォンスタンドに掛けてある機材が現れました。洒落た木のヘッドフォンが良い雰囲気を醸し出してます。



 AKGはウィーンにある会社で1947年から創業している老舗メーカーなので、マイクやヘッドフォンではメーカー名をよく目にします。そのなかで最高峰のモニターヘッドフォンとしてラインナップされているのがこのK812です。
 ネオジウム磁石が使われおり、1.5テスラという強力な磁束密度が53mmという大きめなドライバーを駆動しています。ドライバーは大きい方が良いように思わされるのだけど、大きすぎるのはどうなのかと思いますが、53mmはほどほどに大きくてちょうど良いのではないかと思います。スピーカー好きな自分としてはネオジウムと聞くだけで期待感が膨らみます。





 重量は390gですから、そこそこの重みで装着するとそれなりの重さですが、密着度やホールド感がよく疲れは少ない方だと思います。そして定格インピーダンスも36Ωと扱いやすくできています。ヘッドフォンイヤーパッドは大きめで微妙にずらして最適な位置を確保できますし、メガネをはめたままでも扱えます。メガネの耳当ての部分がひっかかることがおおいのですが、これはイヤーパッドの中にも空間があって逃がしてくれます。


 さて音なのですが、これは素晴らしい。まずは音のバランスが良くてどのようなジャンルを聴いても音楽の良さが引き出されます。音が凛として骨格があるのですが骨太になり過ぎず、高音域はちょっと艶がのって響きがとても良いです。とくに弦の鳴り方が生き生きして引き込まれ、バイオリンもいいしエレキギターがチョーキングされた時のバイブ感もいいです。艶がって伸びるのでソプラノなんかも声帯の震えが伝わり、カンタータなんかを聴いていると夢心地に落ちます。低音はしっかりと押し出しますが、厚かましいようなところはなくダンピングの効いた制動で音楽を支えてくれるし、中音域は明確さがあるのだけど味わい深い包み込むような音色になります。
 モニターヘッドフォンとのことすが、楽しさに満ちていて聴き疲れがしません。アンプはしっかりしたものならどれも十分かと思います。どちらかといえばヘッドフォンのカラーに引っ張られるように思いますが、ラックスマンのP1ならかっちりとした重厚さの上に展開され、A71真空管であれば豊穣な味わいの中に粒立の良さのような煌めきが拡がります。
 まさしく名器でありロングセラーであるのがよくわかります。