ブロッコリー・レボリューション  岡田利規 著

  5編からなる短編集。文と文を句点『。』で区切らず、読点で『、』でつないで、次の文を形容する文体が特徴的なのだけど、谷崎潤一郎のような滑っとした嘗めやかさはなくてアッサリと単々としている。


 内容はどれも日常生活そのものであり、ある時間帯が切り取られ物語が語られるわけでもなく風刺があるわけでもない。だからこそ日常なのだと思うけど、その空虚さを感じさせてしまう。だからと言ってデカダンスでもないし、短編のタイトルは中身のほんの一部をさしているだけでテーマではない。

Ultimate Ears UE900を聴いてみた

  Ultimate Earsは1995年に生まれたアメリカのメーカーで、UE900は2013年に発売されて翌年にはUE900sにマイナーチェンジしているから1年間しか販売されず、ある意味貴重品になるのかな。


 バランスド・アーマチュア型のイヤフォンで、ベース*2、ミッド*1、ツィーター*1の3way 4driver構成になっていてshure掛けタイプです。耳の形状のせいなのかshure掛けが苦手なのですが、ひょっこりと手に入ったラッキー品なので気にせずにいきます。

ヨハンナ・マルツィのコンプリートアルバムを聴く

  ルーマニア出身のヴァイオリニスト、1924年生まれで54歳と早くして亡くなられてます。NHK FMにてバッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータが流れてきて、上品な中に力強さがあって気になっていたら、2022年にマスターテープよりPCM192kHzでリマスターされた9枚組のCDを見つけて思わず買ってしまった。


 バッハの無伴奏ヴァイオリンはミルシティンのCDがあって素晴らしいのですが、どことなく緊張して気疲れしてしまう面があってヨハンナの柔らかさに惹かれてしまったわけです。

JP-501のプレイヤー版と思われるターンテーブルシートを買ってみた

  JP-501と言えば、長岡名人が気に入られて使われたていたターンテーブルシートでパイオニアの品だった。もともと単品での販売ではなく、パイオニアのレコードプレーヤーについていたシートだったようで、それを使った名人が気に入ってシートだけ取り寄せて使い、人気になって単品販売に至ったと聞く。


 すでに一枚JP-501はあって評判通りなので、もう一台のターンテーブルにもと思っていたのだが、いかんせん高くなってしまって手が出ない。そこでダイソーのシリコンシートを円形に切って使っていたのですが、レコードを持ち上げると一緒にくっついてくることがあって気になっていた。

樹木の恵みと人間の歴史 ウィリアム・ブライアント・ローガン著 屋代通子訳

  作者は米国の木の育成管理者なのだけど林業ではなく、都市の樹木や郊外の森の伐採や育成を依頼されて身を立てている。木の伐り方によって萌芽更新を発揚させる手法を学び始め、木と人との係わりについても歴史から教わったこと記載した本です。


 裏表紙の内側に著者の写真があり、いかにも野原や森でうろついている浮遊者のような雰囲気と書かれている知的な文章とのギャップがとても印象的で、教養の深さに驚かされます。