ティムール以降を読んでみた  ジョン・ダーウィン 著

 ティムール以降1400年~現代2000年を著わした歴史書です。本の紹介欄に『ヨーロッパの膨張の歴史として理解されてきた世界史を、ヨーロッパがコントロールできなかった力学の産物として捉えなおす。』としてありますが、視点が欧州一辺倒ではなく、各々の国の状況と推移を報告した感じです。


 でも結局のところ、世の中の中心は産業革命と北米なんですよ。北米を発見した時に帝国が存在していたら南米のようになっていたように思えます。なぜ原住民の勢力が小さかったのか、マヤ文明はメキシコであり、北米にはなかったことが移住を加速させて第二の欧州圏ができ、資源も豊富で産業革命の恩恵をフルに受けたように思えます。

 また、欧州での産業革命は航路との発達により世界貿易が構築され、富の一極化が始まり、発達の速度差に他文化圏が飲み込まれた図式は変わらない。しかし、根付いた文化は帝国の論理に抗って変遷を経ているのはよく理解できる。


 でも、インターネットが世界を覆い技術革新がやはり富の一極化が進んでいる。国家という形態から会社という形態に移り、情報化の波で国境が虚ろとなり、さらに個体にまで移る時に違う世界が来るように思える。

 ページ数が多いので要約を読みたいのであれば最終章だけでも十分かなと、また国家も人知のひとつの形態であり、思考の変化としてとらえるならホモサピエンス史を読むといいかなと思いました。