ゴールドリングのエリートを買ってみた Goldring Elite : レヴュー

  Goldringと言えば英国の老舗なんですが、1906年の設立当初はドイツなのです。英国へ移転したのは1933年でカートリッジの生産も移転後のようです。CDからデジタルソースへと時代が変わってもカートリッジを作り続けている伝統に感心します。

 GoldringのカートリッジはMMの1012GXを持っていて、MMなのに端正で細やかな音をきちんと再生する職人気質のような風情で気に入ってます。MCでは以前から気になっていたエリートを中古で購入しました。Goldringのカートリッジは良い物なのになぜか人気がないので中古だとお得感があって嬉しいです。


目次
    1)仕様について
    2)音質について

【仕様】
 エリートは楕円針を更に細く加工してレコードの溝に線接触するGyger Sラインコンタクト針(5×120μm)でカンチレバーはアルミ、そしてなんとコイル素材に純銀線を採用しており、シャープで心地良いサウンドを実現すると説明があり評価も高いので聴きたかったのです。




 針圧1.7g、内部抵抗8Ω、出力電圧0.5mVと内部抵抗が小さい割には出力電圧が高い仕様になってます。そして重量は5.7gと軽量な部類です。
 1996年の発売以来現役ですから、四半世紀も変わらず生産されてます。買ったもののパッケージを見ると初期のころと思われ、随分と古そうですが針の状態は良さそうで、心配なのはダンパーの劣化ですね。

【音質】
 まずは試聴です。昇圧にはオルトフォンT-30のMCトランスを使い、フォノイコはマランツモデルタイプを使います。出てきた音は説明通りで、シャープで切れ込みがよくフラットで粒立ちも良く高音域が伸びるように聴こえます。その分だけ僅かに腰高なのかと思いますが、CD全盛の時代にHiFiを目指した音なのだろうと思います。




 数日聴きこんで、フォノイコをぺるけ式に変更したところ、随分と表情が変わりました。余韻の響き方が良くなり艶が出てきて、しかも低音の量感が増えたものだから音楽が朗々としながら細やかに鳴るのです。それでいてシャープで切れ込みの深さは変わらないのですから、音が楽しく重なり合って余韻に浸れます。オルトフォンのSPUでは骨格の太さの中で同様なことが起きますが、Goldring eliteの場合は筋肉質で繊細な中に起きる感じです。


 世の中デジタル時代でDSD256も凄いと思うのですが、レコードでこういう音楽の襞に触れるとアナログもまだまだ凄いなと思う秀逸なカートリッジです。

【ノイズ耐性】
 ノイズは拾い難いタイプで、静電気の付きやすいレコードでも影響が少なく、無音時でのホワイトノイズも少ないようです。特に埃やチリが針先に着かず、ほとんど手入れをしなくても良く使い易いです。

【構成部品】
 ヘッドシェルはオーディオテクニカのMG10です。マグネシウム合金は軽量で合成が強く、トヨタ2000GTのホイールに使われてました。
 リード線はPCOCC導体の撚り線で+側が0.12mm*25本、-側が0.08mm*60本というハイブリッドタイプで、非常に細やかで明瞭なタイプです。ちなみにPCOCCは、Pure Cupper Ohno Continuous Castingの略で「単結晶状高純度無酸素銅」という名称です。

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