『トーキョー・キル』を読んでみた バリー・ランセット 著  白石朗 訳

  なんともはや物騒な題名である。まぁでもその通りな本で、全編探偵スペクタルアクション劇なのだ。次々と起こる殺人事件に巻き込まれ、襲われながらも切り抜ける手に汗を握るわけで、映画にしたらシリーズものでヒット間違いないだろう。


 文章を読んでみ観て驚くのは、外人の作家のはずだよねと表紙を読み直すぐらい、日本文化に通じている。文中に外人という呼び名は日本文化だと書かれていて、しかも侮蔑を含むのだと思われているとのことだったが、そうは思わずに外人という言葉を使うのは日本人なんだと思う。
 細かいシチュエーションを診ると、なんだか辻褄があわないようなところがあるのだけど、展開の早さとアクションのスピード感にのってワードサーフィンしていれば十分に楽しませてくれる。実に面白い、それでいいのだ。

 やっぱり映画を観たいと思わせてくれる本書だった。