ビクターのロングアームUA-7082を使ってみる

  OrtofonのSPUというカートリッジは重いので、取り換えるのにちょっと手間がかかる。そこで、レコードプレーヤーにもう一つトーンアームを付けることにした。そのためにはロングアームでなければいけない。


 SPUは少々ゴツイ感じのするカートリッジなので、見た目に剛性感のあるトーンアームを選びたく、レコードプレーヤーがビクターだったこともあり、UA-7082を選択した。
 選択と言っても中古で流通も少なく、しかもウェイト部分のゴムブッシュがへたって、ウェイトが垂れる傾向にある。それでも待てば海路の日和ありである。
 ウェイト側がちょっと垂れているけど上々品です。全長389mm、実行長282mmなので、通常のアームと比べると約40mmほど長いです。取り付けた後に水平の回転軸にあるダイヤルを回すと上下高さの調整ができる優れものです。軸受け方式は4個の精密ラジアルベアリングを配した仮想一点指示構造で高感度・高耐久性を保持しているとのことです。






 確かに剛性感があって、どっしりとした印象を受け、へッドシェルの接続もチャッキングロック式でガタがなくカチッと締まります。どの角度から見てもなかなか美形でレストアームの作りと言い、オイルダンパーの受け方と言い凝った設計に感心しきりです。
 SPUを装着してみるとサブウェイトが必要で、機械部品のカラーを代用にしてバランスをとるのですが、針圧調整においてサブウェイトも同時に動いてしまう構造なので、針圧の目盛りが使えません。なので、針圧計を買いました。





 さて肝心な音ですが、Ethosのどっしりとした輪郭の音が明朗に鳴り響き、SPUらしい骨格のしっかりした中にも弦の微細な表現がしなやかに聴こえます。アームによる差を感じるのは難しいのかなと思います。天井が高く2階まで吹き抜けで、基礎を打ったコンクリの上に厚めのフローリングを敷いた広めの部屋で聴いてみたいものです。でも、SPUを取り付けてバランスの良いアームは少ないように思えます。