2階の薄いフローリングにスピーカーがある。オーディオで一番お金がかかると思えるのは家だと思われる。部屋も狭いのでスピーカーはトールボーイでウーハーは150mm、TANNOYの Precision6.2LEというタンノイらしからぬ音にキレとスピード感がある。低音も引き締まった良い音なのだけど、ウッドベースの低い音が逃げているようだ。
壁との距離や重さを増やしたりして調整を繰り返しているのだけど、なんていうのだろうか、音の圧迫というかうねりのようなものが足元から感じるような気配になってしまう。それも音量を大きく上げていればの話で家人のいる時はそういうわけにもいかない。
大理石か人工大理石を買おうかと考えもしたけど、硬くて響きのあるものは結局振動が床に伝わり逃げてしまうのではないかと思いためらった。オーディオボードでもいいのだけど、左側のスピーカーのスペースが狭くて入らない。とりあえず1mmの厚さのゴム板をスパイクパッドの下に敷いてみた。多少は良くなったのだけど…
TANNOYのマニュアルには低音が逃げる場合にカーペットを敷くことを勧めている。でも、カーペットで床への振動は軽減されるけど、反力も失うように思われてずっと避けていた。コンクリートブロックのように硬くて空気穴の多いものなら、床にも響きにくく反力も失わないように思えるのだけど背が高くなってしまい、同軸スピーカーの高さが上がってしまう。聴く位置も上げればいいのだけど、座り心地を考えるとリラックスした雰囲気にならない。
ホームセンターで買い物をしている時にタイルカーペットが眼についた。値段を見てあまりにも安価で1枚から買えることに気づいた。税込200円足らずなら買って失敗しても落ち込むことはないだろう。種類があって価格が高くなるとパイル地の生地の立ちが少しづつ上がって毛深くなり。下地のゴム部分も暑くなる。厚みのある方を買って失敗するより、薄い方なら重ねるという手段もあると思い、悩んだ結果薄くて安い方を買ってみた。
大きさが500*500mmで厚みが5mmほどでパイル地のほうが3.5mmぐらいの塩梅です。試しに右側のスピーカーだけ敷いてみました。
さて視聴です、まずはオスカーピーターソンのWe get requestをかけてみました。これはレイ・ブラウンのベースが問題なのですが、いやはや驚きました。今まではとても低い音が沈み込む傾向があったのですが、ベースのうねりが消えずに余韻が残って次の音につながりました。気のせいかピーターソンのピアノの高音も滑らかに聴こえます。とても低い音の響きが高音との調和をもたらしているのかも知れません。
オーケストラも聞いてみます。ブラームスは左のバイオリンの音の目立つことが多いのですが、きちんとコントラバスの音が前にも出てきています。しかも右寄りの奥から響く感じがわかり、とてもバランスがよくなりました。
なのでカーペットをちょうど良いサイズにカットして左側にも設置し、わずか200円弱です。
カーペットなんてと思っていたのですが、やっぱり老舗のメーカーがマニュアルに載せるのですから試してみるものです。きつねにつままれたような…もっと早く素直にと思いました。