遠い声、遠い部屋を読んでみた  トルーマン・カポーティ 著  村上春樹 訳

  カポーティが24歳の時の作品。こどもと呼べるころに顔も知らない父親の元へ旅立つ、それは青年への移り変わりでもあった。


 思春期の揺らぐこころが瞑想に彷徨いそうになりながら、なんとか父親の住む家にたどりつくのだけど、なぜか父は迎えてくれない。不安なこころが揺れ動きながらも辺鄙な地に友達ができ恋心も仄めく。いろいろな揺らぎの中に落ち込んで白昼夢の中にひかりをみる。
 なんだろう、少年時代のお伽噺のようにふわふわとしている。きっとこの少年が草の竪琴の青年へとつながるのかもしれない。