水底の女を読んでみた  レイモンド・チャンドラー 著  村上春樹 訳

  フィリップ・マーロウの最終話、なぜかポワロとボンドを足して割ったようなマーロウ。


 題名が水底とあるけど直訳すれば湖底だし、女性を発見するのも湖だったのだから湖底でいいと思うのだけど、なぜ水底にしたのだろう。
 溺死した女性、ドラッグを医師として施す胡散臭い医者、腹黒い警察官と読者の気をそそりながらマーロウは依頼された仕事を調査する。随分と荒っぽいシーンを繰り広げながらもタフを通り越してボンドなみに強い。そしてマーロウが謎解きを始める。
 ハードボイルドな文章に情緒が靡いている。そして危険な風合いに情が混じっている。こんなマーロウもまた気障なのである。