チェコの作家のエッセイのような小説。本人が出てくるので実話を基にしているのだろうけど、プラハの春の体制の風刺画でもあるようだ。圧迫された体制の中の作家は生き生きしているように思える。莫言の書いた遅咲きの男と同じ匂いがするのだけど、こちらの方がファンタジーがあるかな。
月曜日から日曜日までの7話が詰まっている。最初の内は軽くて陽気だったけど、週末になるにつれて難しくなる。話自体は軽やかでわかりやすいのだけど、なぜその構成になるのか?と考えてしまうと僕の頭では不明に陥る。
一つ一つの話は完結しているので7つの短編なのだけど、話の持つ雰囲気と言うかモチーフが同じ空気を吸っている。主人公が同じなので当り前なのかもしれないけど、なぜ月曜日であり日曜日のタイトルなのかは関係ないようだ。
チェコと言えばカフカを思い出すのだけど、話の中は現実的で生に満ちている。不条理なのは体制であり、置かれた世界であるが故に日常の不条理が隠れているように思える。同じことをイワン・デニーソヴィチの一日で感じたことが蘇った。