『秋』を読んでみた  アリ・スミス 著  木原善彦 訳

  スコットランド出身で1962年生まれの還暦を超えた作家。この本は2017年に発表されているけど、若さの中に知的な構成力を感じさせる文体で面白い。


 少女と隣の爺さんとの触れ合いを中心に回り出すのだけど、哀愁のようなものはふりかけてあるけれど物事の見方を教示されているのかもしれない。いずれにしても本が何を語りたいのかは不明なのだけども何かしら不思議な時空の中に踏み込んだことだけは感じる。
 出てくるキャラクターの性格が詠めそうなのは爺さんのダニエルだけだけど、本の後半では眠りについている。主人公は少女エリザベスを思い起こすエリザベスなのだろうけど、実は母親なのではないかと疑っている。